Webサービス・Webサイト開発の歴史から紐解く食文化 第5話 ~新しいビジネスは人と人との出会いから~

こんにちは。社長室兼システム部の山城です。

今日はシステム部山城として弊社のWEBサービス・WEBサイト開発目線で、食文化のこれまでのあゆみについて振り返ってみたいと思います。
今回でいよいよ第5弾、会社が10年目くらいの頃のお話です。
dancyuドットコムオープン後、伊藤忠食品株式会社との協業の話が進みます。
プリペイド式ギフト交換サイトの構築です。
最近は、結婚式の引き出物がギフトカタログではなく、WEB交換方式だったりすることもあり違和感もなくなってきていますが、分厚いほど価値があり重いほど高級とされてきているギフトカタログの世界において、IDとパスワードを配って、続きはWEBで・・・のスタイルは相当画期的でチャレンジだったと思います。

話を持ってきたのは、伊藤忠食品の新規事業部門の部長であった佐藤氏です。
当時、日本ではビール券の偽装が問題になっており、政府から法規制の方針が出されていました。
佐藤氏はアメリカでAmazonギフトカードを見て、日本でも今後はこれがくると確信し、株式会社ジェイシービーに相談したところ、食文化に相談するといいと、つないでくれました。
萩原社長は佐藤氏から概要を聞いて、食文化のECサイトをギフト交換サイトに転用するのは難しくないと判断しました。
理由は、ECの中でも食品を取り扱う食文化のサイトは、常温・冷蔵・冷凍の3温度帯、複数出荷場、同梱、賞味期限等の概念があり最も難易度が高く、そのECサイト構築と運用の実績があったため、その部分の要件定義は省略できると考えたためです。
また、先方にはイニシャルコストを落としたい意向があったので、仕様書は最低限という条件と、開発後もシステム保守だけでなくカスタマーサポートの運用受託等も条件に入れることにより、コストの調整を行い、かなり安価での提案をしました。

実際、先方が某大手SIベンダーに同条件で見積もりをお願いしたら食文化の25倍ほどだったそうです。
私も同業出身なので、アプリ開発案件のコストはだいたい予想が付きます。
そのSIベンダーが高いわけではなく、食文化が安すぎました。
というのも、大手でなくてもそこそこの規模の会社だと、1つのプロジェクトにPMがいて、営業がいて、アーキテクトがいて、インフラ担当がいて、プログラマーがいて、テスターがいて、品質管理チームがあって、プロジェクト推進チームがあって、など役割分担をして複数のメンバーから成り立ちます。
それは、役割を明確にしてプロフェッショナル化することにより品質を担保しつつ最適なソリューションを作り上げる、ということにとってはとってもとーっても大事ですが、どうしても関わる人が多いのでコストがあがってしまいます。
また、会社の規模が大きくなるほど、稟議のプロセスがあるので、スピード感も出せません。
(注:いいとか悪いとかの話ではないです。)

食文化は、決裁権を持つ萩原社長が、インフラもアーキテクチャーもプログラムもすべてを理解しているKenji氏に相談して、未来価値も含めて総合的に判断し、リスクを取って、スピード感をもって、進めることができました。

また、東京シティ青果の当時の張替副社長が、当時の社長浜口氏と同級生で、何かの折に「食文化さんなら大丈夫」と後押ししてくれたことも、まだまだ実績も少なく知名度も低い食文化の契約獲得につながったのではないかとのことです。

そんな矢先、2011年3月11日、伊藤忠食品に最終提案をしているときに東日本大震災が起こりました。
東日本大震災は3月中旬以降の当社の業績に大きな影響を与えました。
特に築地市場ドットコムブランドについては、楽天・ヤフー等のモール店が自粛対応となったため、大きく売り上げを落としてしまいました。
しかし、ことギフトカードモールの開発に関していえば、開発拠点がアメリカだったので、スケジュールへの影響は最小限に抑えられました。

そして2011年7月20日に、予定通り『ギフトカードモールexchange.com』をオープンしました。
世の中のIT化の加速と、保険業界等のキャンペーンで換金性の高い商品券などをプレゼントすることが規制されたことなどが事業の飛躍になり、9年後の去年、注文件数は、初めの1年から比べて、110倍の大成長となりました。

また、2011年下期には、小学館の女性誌『Domani』からの受託で、『RAREPLANT.com』をオープンし、「女性の美への貢献」をテーマに旬のこだわりや栄養価・酵素にこだわったサイトのシステムとカスタマーサポートを受託しました。

震災で世の中が少し混乱していたこの1年に、妥協せず、大きなシステム案件を2つ立ち上げることができました
多少粗削りでも何事もまずはやってみる、そして、やったからにはやり切る力は食文化の社風であり、数々の成功への原動力になっていると感じます。

そして、振り返ってみると食文化の様々なビジネスが偶然かのような人と人とのつながりで生まれています。
しかしきっとこれは偶然ではないのでしょう。
日頃から、困った時に食文化を頼ってみよう、と思ってもらえる会社でありつつけること、この案件だったらxxさんに相談してみよう、という印象に残る人であること、自己満足ではなく他人を満足させる人であること、それが新しいビジネスを生むのだと思います。
まさに、今の食文化が大事にしている2つのキーワード、”主体性”と”利他の精神”に尽きるのだと感じました。

第6話に続く・・・

Webサービス・Webサイト開発の歴史から紐解く食文化 第4話 ~dancyuドットコムオープン、10年間温めていた事業が形に~ Webサービス・Webサイト開発の歴史から紐解く食文化 第3話 ~市場直結ECへの挑戦~ Webサービス・Webサイト開発の歴史から紐解く食文化 第2話 ~やっていける、と確信した瞬間~ Webサービス・Webサイト開発の歴史から紐解く食文化 第1話 ~食文化創業とうまいもんドットコムオープンまでの道のり~