極晩生 新品種みかん「あおさん」

青果仕入れ担当の鈴木愛理です。

新品種みかん「あおさん」

未来の温州みかんの品種の覇権を握ってしまうかも、と期待しています。

 ‘あおさん’は、‘興津早生’の一樹変異個体として和歌山県湯浅町 湯川さんの圃場で発見されました。湯川さんの屋号が「青三」だったことから「あおさん」と命名されました。

生産者の湯川知明さんとお父様

早生品種(10~11月に収穫)の枝替わりでありながら、超晩生品種(1〜2月に収穫、貯蔵すれば4〜5月に出荷できる)という不思議なみかんです。

一般に人気のある、年内に流通する 

早生品種らしい “薄皮(じょうのう膜)の薄いみかん” が

春先 まで食べられる、というのです!

食味もかなり良好です。昨年、2022年11月の現地取材時にはこの果皮の色ながら、すでに実測糖度13度を記録していました。

↑左から(あおさん/青島温州/林温州)

樹姿はみるからに早生品種です。超晩生品種にもかかわらず、樹姿や果形などは、早生の特徴をもろに引き継いでいる、といいます。


近年の気候変動、秋から冬にかけての高温は「浮皮」や「過熟」など、みかんの品質低下に大きな影響を与えています。ですが、あおさんは「浮皮」の発生が極めて少ないとされています。

各フルーツの産地分布の北限が上がってきているように、十数年後は今の名産地が適地でなくなるかもしれない…あおさんはそんな懸念も解消できる? 期待の品種です。

(あおさん2へつづく)