「てっぺんの桃」って??
~たくさんのこだわりから生まれた雨宮家の秀逸な桃の物語~
第一章「土壌へのこだわり」
こんにちは。豊洲市場ドットコム メディア担当の小河原&西川です。
今回は、とんでもないこだわりを持って、桃を生産されている生産者ご一家をご紹介させていただきます。
ある日のことです。西川がなぜか嬉しそうに私(小河原)のところに来ました。
スゴい桃農家さんがいるので、一度見に行きましょうよ。本当にスゴい人たちなんですって!「てっぺんの桃」と言って毎年大変好評なんです。
てっぺん?山の上で作っているの?
もういいですから(笑) 百聞は一見に如かず。まずは行きましょうー!
と半ば強引に連れさられ、いざ山梨県笛吹市というところに行ってきました。
高速を降りて下道を走ると、周りは桃園やブドウ園でいっぱい。この辺りは一日の気温の高低差があり、雨量も少ないことから、果物の生産に合っているのだそうです。
さぁ、とうとう生産者のお家に到着。
桃一家 雨宮家
生産者は雨宮さんと言います。代表の雨宮聖さん、先代でお父さんの雨宮融さん。お二方で桃を生産されています。収穫時にはお母さんも参加され、一家総出で出荷されるそうです。
貫禄のあるご自宅にお邪魔しますと、なんとご自宅は築100年以上ととても重厚感と歴史を感じる古民家でカッコイイ!なんと暖炉まである!おしゃれです。すぐにカフェができそうです。
雨宮聖さん:「到着して直ぐでスミマセンが、親父が畑で待っていますので、行きましょう。」と、畑に連れて行ってもらいました。
待ち構えていたのは、穏やかで優しそうなおじいさん(スミマセン)でした。
ご挨拶もそこそこに、「ウチはね・・・」と息つく暇もなく熱い説明が始まります。
ミミズは良い土にしかいない!
雨宮融さん:ウチはね、土壌が全然違うんですよ。40年以上「草生栽培」をしているんです。草を生やして、刈って、刈った草はそのまま畑に放っておきます。ウチの畑には「土壌細菌」という微生物がたくさんいるから、刈った草をその微生物が分解してくれて、天然の堆肥になるんです。化学肥料を使わずに、この栽培方法を40年以上繰り返しているから、とても良い土壌になっています。
――ということは、土が40層近くになっているということですね?
雨宮聖さん:そうなんです。だからウチの畑にはミミズがたくさんいます。モグラも住んでいます(笑) 悪い土の畑にはミミズが居ないですし、アンモニア臭もします。
――モグラに会ってみたいです!
優秀な微生物「土壌細菌」
雨宮聖さん:分解が始まった枯草に付いている白い菌が「土壌細菌」という微生物です。草を分解して、堆肥にしてくれます。これを繰り返すことで土がどんどん良くなってくれます。
――良いモノを作るには、まずは足元からなんですね。おしゃれは足元から(笑)。なんでも足腰が大事なんですね。
ミミズが住めない土ではおいしいものが育たない、雨宮家こだわりの土壌です。
取材:小河原英二、西川純平
執筆:小河原英二
撮影・編集:西川純平
取材協力:雨宮融、雨宮聖