こんにちは。築地市場ドットコム 小林です。
海老率の高い8月26日の落し物。
「出番です~!」と言われたら、そりゃあやります、海老祭り!
ガーリックシュリンプやワイン蒸しなど、リクエストと妙なプレッシャーをいただきましたが(苦笑)、軽く飛び越えて行きましょう!
ということで、今回は一品どころかフルコース。
まずはアンティパスト、甘えび、車えび、赤エビのそれぞれを使った3点盛りからです。
甘えびは身と卵をシブレット、スペアミント、ペッパーミントと一緒にオリーブオイルとピンクソルトで和えたカッペリーニ。
車えびはドライハーブを色々使いました。
フェンネルを中心にタイム、セージ、ローズマリー、珍しいところでレモンマートル。
これらをパン粉と混ぜて、香草パン粉焼き。
そして赤エビはガーリックシュリンプの代わりにオイル煮。
にんにくと一緒に太白ごま油で赤エビを炊いて、仕上げに青花椒とレモングラスのような香りのする木姜油、そしてコリアンダーを加えてエキゾチックに仕上げました。
続いてズッパは、今回出たたくさんの殻をタイム、タラゴンと一緒に煮出して作りました。
トマトの水煮と塩で酸味と塩身を加えて味を締めています。
プリモピアットはシチリア風のリゾット。
ドライトマトの戻し汁と白ワイン、レモン果汁で米と3種の海老を炊いてさっぱりと。
最後にレモンの皮のすりおろしとたっぷりのイタリアンパセリを刻んで完成です。
セコンドピアットはこちらも海老を3つとも使ってアルゲーロ風。
アルゲーロはコスタ・スメラルダなどヴァカンスのビーチで有名なイタリア・サルデーニャ島の村で、本来はこの地の特産であるイセエビを白ワインと鶏出汁で蒸した料理ですが、今回はイセエビの代わりにこの落し物の3種の海老を使います。
そう、ここでワイン蒸しです!
たまねぎ、セロリにワインと鶏出汁をかけ、その上に海老を乗せて蒸し上げます。
仕上げに赤たまねぎのスライスと、今回使ったフレッシュハーブ全種をたっぷりと。
そして今回のこのハーブたっぷりのコースに合わせたのは、同じくハーブの香りが特徴の白ブドウ、ソーヴィニヨン・ブランのワインです。
ただし、最初から最後まで1本で通したかったので、有名な黒ブドウのカベルネ・ソーヴィニヨンを混ぜたロゼ!
ボルドースタイルのワインで知られるオーストラリア西部、マーガレット・リヴァーにあるスィ・ヴィントナーズのババ・ヤガというワインですが、こんな品種構成は異例中の異例。
かなり個性的ですが、今回の海老祭りにはかなり自信のあるセレクトです。
さらにババ・ヤガと来れば、BGMはもちろん展覧会の絵。
ただし、料理からワインまでここまでぶっ飛んだ海老祭りだからこそ、ムソルグスキーではなくELPで(笑)。
ここまでやりきった食卓は、それはそれは楽しいものでした!
(株)食文化 小林 乙彦