Let’s再現、イカスミパスタ

食文化スタッフの田賀です!毎朝豊洲市場を巡っています。連載コラム「タガの豊洲市場日記」も、是非ご覧ください!

ここ数年で名店のシェフがレシピを教えてくれたり、厨房の様子を見せてくれる動画がうんと増えましたよね。

小さい頃からお菓子作りを除いては、レシピに沿って忠実に料理することが苦手、というより、気が付いたらフィーリングの分量で調味してしまったり、アレンジしたりしてしまう私。ただ、名高いシェフのレシピや動画は一層見入ってしまう。お店の味を再現!となれば真面目にやれるだろうと、おもてなし料理を作る機会に挑戦してみることにしました。

さて、何に挑戦したかというと、うまいもんドットコムでお馴染み、南青山のイタリアン「リストランテ アクアパッツァ」の公式YouTubeチャンネル【日高良実のACQUAPAZZAチャンネル】より、「イカスミパスタ」です。加えて「カポナータ」「パテドカンパーニュ」なども作り、学生時代の友人と楽しみました。

目次

    スミイカのイカスミパスタ

    • 兵庫県産「スミイカ(甲いか)」
      • ここ最近、市場には新イカ(スミイカの子ども)の入荷が多く、このサイズはあまり見かけません。ですが御徒町の「吉池」には、結構大きなサイズも並んでいました。ひと際大きい子をお出迎え。墨を抱えていない可能性を考慮して2杯購入。後にその判断をした私に感謝することとなりました。
    • 青森県産「にんにく」
      • パスタには1欠片使いました。たとえ便利だろうと、チューブは避けたい。
    • 「玉ねぎ」
    • 「トマト缶」
      • フレッシュでも良いですが、今回は動画にならって缶詰を使用しました。
    • お好みのハーブ等
      • 盛り付ける際に用いると華やかになります。

    他に使うとしたら、塩とオリーブオイル、白ワインくらい。とってもシンプル。

    先にオリーブオイルでにんにく、玉ねぎを炒め、そこにカットしたイカの身(げそなども)を加えます。

    しんなりした頃にイカの墨とワタもまるごと入れて潰します。墨、やはり若干足りなかったので2杯分入れました。身は1杯分です。これ、お店だとイカと墨の分量の個体差あると難しくない?と思いつつ。ただ、うまいもんドットコムの商品ページにヒントがありました。

    ソースは予めスミイカ等のイカスミをオリーブオイルと塩で調理してよく濾しておくとのこと。事前に仕込んでおくことで分量にぶれは生じないのですね。

    っと、墨が満遍なく玉ねぎに絡まったら白ワインを投入。アルコールを飛ばしてから、裏ごししたトマトを投入します。

    お皿に盛り付けたらオリーブオイルをひと回ししてイタリアンパセリを、と思っていたのですが、気が付いたらローズマリーを添えていました。相性は良いです、香りがアクセントになります。

    正直、イカスミを用いた品を飲食店で選択してきたことが無く、いままで簡便なパスタソースでしかイカスミパスタを食べた経験しかありませんでした。
    圧倒的に違うのが、墨の香りとトマトの旨みなのかな、と思います。イカスミの濃厚な味わいと香りに、トマトと玉ねぎの旨みが合わさり、心地良いおいしさでした。

    ▲参考にした動画はこちら

    日高シェフはスミイカとヤリイカで作り、比較していました。スミイカは墨らしい香りともったりと濃厚な味わいを楽しめ、ヤリイカは甘い香りでさらりとした優しい味わい。全く異なる印象だとお話ししていました。実際に調理して、食べ比べることで気が付けるポイントですよね。

    カポナータ

    9月も中旬というのに日中は35度前後と、暑い日でした。とはいえ既に食の思考は秋。夏と完全におさらばする前に、最後に全力で味わっておこうと思った際、浮かんだのがこの料理でした。

    • 「ナス」
    • 「トマト」
    • 「ズッキーニ」
    • 「オクラ」
    • 「ピーマン」
    • 「パプリカ(赤・黄)」
    • 「玉ねぎ」

    むふ、並ぶ野菜たちを見てるだけで幸せな気持ちになります。旬の野菜や果物の色ってなぜこんなにも、ひとの心を満たすのだろう。…私だけではないはず。

    ナスとズッキーニは揚げ焼きにします。その他の野菜も、それぞれしっかり焼き目を付けておきます。十分すぎる程に焼きつけることがポイントだと思っています。

    予め別の鍋で詰めておいたトマトに焼き野菜を一挙に投入し、調味しつつさらに煮詰めていきます。ケイパーと松の実(軽く炒ってから)を加えると一層本格的になるのでおすすめです。

    熱々でもおいしいですが、ぐっと堪えます(味見は5口くらいした)。粗熱を取ってから冷蔵庫でしっかり冷やし込みます。

    冷やすことで艶が出ました。盛りつけたらバジルをのせ、オリーブオイルを回しかけていただきます。

    あえて少し塩加減を強めにしたのでお酒が進む。イカスミパスタもカポナータも冷えた白ワインが合います。

    パテドカンパーニュ

    「パテドカンパーニュ」は兼ねてより挑戦してみたかった料理です。イタリアイタリアと来て、ここでフランス。極力シンプルな家庭用のレシピで作りました。

    ポイントはピスタチオとレンコンを入れること。これは私の住む近所のお気に入りのお店で提供しているパテを参考にしたアレンジです。食感が楽しいのです。

    肉は豚ばら肉、豚ひき肉、鶏レバーをブレンド。スパイスはクローブ、ナツメグ、シナモン、ホワイトペッパーをブレンドしました。
    肉と塩、スパイスを混ぜ合わせてからピスタチオ、れんこん、卵、赤ワインなど加えて混ぜるのはハンバーグと同じ感じです。

    予めベーコンを並べて敷き詰めておいたパウンド型に肉を詰めていき、お好みでハーブをのせてからベーコンで包み込みます。お店ではベーコンではなく網脂を使うこともありますね。

    そうしたら、蒸します。私は大きめの蒸し器を持っていないのでオーブンで湯煎焼きです。
    焼きあがったら冷蔵庫でしっかり冷やして完成。ドキドキのカットを済ませ、お皿にのせます。

    ああ、ピスタチオが左に寄ってしまったけれど、どうにか満足のいく仕上がりになりました。


    今回動画を参考に完全再現したのは「イカスミパスタ」のみですが、今後も動画などを観て、ぜひ様々なお店やシェフの味に挑戦してみたいと思いました。

    普段作る料理は、連載コラム「タガの豊洲市場日記」でも小出ししていきます!