幻のキノコ「ハナビラタケ(ホホホタケ)」の秘密を探る旅(1/3)│第1回「ハナビラタケ(ホホホタケ)って!?」

第1回「ハナビラタケ(ホホホタケ)って!?」

-幻のキノコ「ハナビラタケ(ホホホタケ)」の秘密を探る旅-

・第1回「ハナビラタケホホホタケって!?」

・第2回「工場見学」

・第3回「実食」

初めまして、豊洲市場ドットコム・メディア担当の小河原&西川です。

みなさんに食に関するお得な情報や楽しいことを発信したいと思っております。

よろしくお願いいたします。

ある日、市場の知り合いから「幻のキノコ」の情報を教えてもらいました。概要を聞くと、「ほぉ~、これは面白いね!」となり、早速生産者さんのところへ行ってみようとなりました。

訪れたところは、静岡県島田市。偶然にも弊社代表取締役社長・萩原の出身地ということで、これも何かのご縁と思いながら、島田の地に足を踏み入れました。

「ホホホタケ」とは呼称で、正式な品種は「ハナビラタケ」というキノコの一種であること、「幻のキノコ」だということ、「工場が生産している」という情報だけをもって工場に到着。

▲大井川電機製作所の工場です。ホホホタケのロゴがかわいいです。

生産しているのは「大井川電機製作所」さんという会社です。

「ん!?キノコの生産者さんだよね?」「なぜ電機製作所?」と思いつつ、お出迎えいただいたのが、大井川電機製作所の代表取締役社長 中河さんと森下さん。中河社長はとても温厚で恵比寿様のような笑顔が素敵な社長さんです。

▲大井川電機製作所 中河社長

早速、聞きたくてうずうずしていたこの質問を投げかけてみました。

――「電機メーカーですよね?なぜハナビラタケの生産を始めたのですか?」

中河社長:もともとは、電球を作っているメーカーです。家の中の電球の生産からスタートし、自動車のライトに使われる電球を生産するようになりました。そこにLEDが台頭してきて、電球の需要が縮小してきました。でも市内で走っている車のブレーキランプを見ると、発光していない歯抜けになっている車のブレーキランプを見て、「LED球が切れている。まだまだ品質が安定しない。これはまだLEDの時代は来ないな。」と思っていたのですが、それが間違いでした。LEDの電球は切れているのではなく、走行中の振動でハンダ不良を起こし点灯していなかったということが分かりました。

LED市場が徐々に伸びてきて、いずれLEDが主流になる時がくる。今の内から何か他の事業をやらなくては!と考えて、候補に挙がったのが、「フグの養殖」「ワサビの栽培」とかのアイデアの中に「ハナビラタケ」がありました。

▲中河社長と豊洲市場ドットコム小河原

――その中でハナビラタケを選んだ理由は?

中河社長:ハナビラタケを選んだのは、人がやっていない、ちょっと作りづらいモノの方が他の人がやらないでしょ。ハナビラタケは自然界に自生はしているけど、なかなか見つけることができない「幻のキノコ」と呼ばれていました。栽培も難しいことが分かり、これなら他の人もやらないだろうと思って選びました。それに見た目が白くてカッコいいでしょ!(笑)名前も良いしと、という理由で始めました。

ハナビラタケは標高1,000メートル以上の高山で、湿度が高い、特殊な環境でないと発育しないのだそうです。

これが「幻のキノコ」と言われる所以でした。

中河社長:65歳で一度引退したのですが、その後も一生懸命ハナビラタケを研究しているスタッフのパッションに打たれ現場復帰を決めました。何とかしてやろうと。

「光のプロ!?」

――森下さんは電機会社に就職したのに、今ではキノコ作っているよ、となりませんか?

森下さん:そうですね(笑) でもモノつくりの本質は同じなので違和感はそんなに覚えませんでした。

――電球を生産しているから、その電球を使ってハナビラタケを作っている。全く関係のないことをしているわけではないのですね?

中河社長:実はウチの電球を使って生産しているわけではないのです。でも私たちは、「光のプロ」なので、光で育てるハナビラタケの研究には役立ちました。

――光のプロ?

森下さん:ハナビラタケは光で育ちます。以前から光の波長も研究しておりましたので、どの波長をどのくらいの距離で、どのくらいの時間当てるか、を追求して、もっとおいしいハナビラタケにならないかを日夜研究しています。光の当て方が上手いと白くなります。当てすぎると薄茶色くなってしまいます。ウチのハナビラタケは他社のモノより白いです。

――幻のキノコは日持ちもしないから、幻なのですか?

大畑さん:他社さんでは2~3日くらいしか日持ちがしないので、豊洲市場での流通量が少ないです。東京のスーパーでもあまり見たことがないと思います。でも当社の商品は10日近く保ちます。

なるほど、正に「光のプロ」が作った「幻のキノコ」なのですね!

「自動車業界で鍛えられた管理の技」

――品質管理もしっかりされているとのことですが?

中河社長:電球の納品先は大きな自動車メーカーさんです。不良品を出すわけにはいきませんし、ゴミが入ってもダメです。清掃は徹底的にやります。高品質なハナビラタケを作るための品質管理は、今までの経験がとても活きております。異物混入も今まで発生したことはありません。

なるほど、そんな工場のような生産場所を見たくてワクワクしてきました。

それでは、次に工場を見学させていただきます。

文:小河原 英二 撮影・編集:西川 純平

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