創業昭和9年のうなぎメーカー 浜名湖食品を訪れました

こんにちは。仕入れ担当の八尾と申します。

今年私たちは新しい「うなぎ」の開拓に力を入れております。
手に入る数が少なく、かつてのように“ちょっとうなぎを食べる”とはいかなくなりつつある時代、せっかく食べるなら美味しいものがいいよね!
という想いで、全国のうなぎメーカーからこれぞという逸品を選び抜いております。

本日ご紹介したいのは静岡県浜松市の浜名湖食品さん。
私、4月に訪問し今年の取り扱いを決めてきたのですが、今回改めて皆様にご紹介するため、再訪してきました。

昭和9年創業 浜名湖食品
どうか、外見に騙されないでください。
ここには美味しさを求めて、現代社会の効率性をそぎ落とした、昔ながらのうなぎ職人たちが集っていました。

まずはその原料となる鰻に驚かされます。

…とても静かな鰻たち…

活きはとても良いです。身もふっくらとして健康そのもの
でもとてもおとなしく、まるでまな板の上の鯛。

いろいろなうなぎ加工場を見てきましたが、あまり見ない光景です。

職人さんによると「育ってきた環境からの移動時間が短く、水質・温度が変わらないのでリラックスしている状態です」とのこと

地元浜名湖のうなぎをすぐ隣の養魚漁協から仕入れ、活きの良いうちに捌く。
それも、納得のいく原料が無い日は工場を動かさない程、品質にこだわっています。

私たちも事前に情報をつかみ、いい原料がある日を狙って工場にお邪魔しました。

目の前で次々と捌かれていく鰻たち。
それも、普通の工場であればうなぎが暴れないように氷で〆たり、頭だけ落としていくところ活きのまま捌いていきます。

うなぎもほとんど暴れることなく、次々と開きになっていきます。

「なんでうなぎが暴れないの?」と思いますが、創業から80余年になるこの工場では、いつもの事なのです…
不思議です。

目打ちからの、割き、首を落とすまでものの10秒。
繰り出される包丁の早業により、まな板には深々とその跡が刻まれています…

見事な手際で捌かれた鰻は、そのサイズ他や品質によって長焼や串焼きへと姿を変えますが、浜名湖食品で共通しているのは“うなぎの血を洗わない“こと。
昔ながらであり、高級な鰻専門店が受け継ぐ技法と同じ状態で焼きを入れます。

強力な炎で焼かれるウナギですが、実はうなぎの血はこの時えぐみや苦みの素となってしまうため、一般的に量産されるうなぎ蒲焼は捌いた後血を洗うのが常です。

しかし、浜名湖食品では職人技でその血を深みのある美味しさに昇華します。

それを実現するのが、焼き機に取り付けられている無数のコック。
実はこれの一つ一つが強力なガスバーナーで、その日のうなぎの質や気温・湿度に併せて最適な火力に都度調節しているのです。
この仕組みは私も日本でここでしか見たことがありません…

うなぎに併せて火加減を手動で調整する。
まるでお店のような、こだわりの焼きがこんな形で実現していました。

こうして白焼きに仕上がったウナギはタレ付け焼きに移りますが、このタレこそが唯一無二の一品。
昭和から継ぎ足し継ぎ足しで数十年。
うなぎの旨味を吸って味わいを極めた「秘伝のタレ」

地元浜松の醤油・本醸造みりん・上白糖をブレンドし作り出します。
多くのメーカーがタレメーカーに製造を依頼する中、入荷してくるうなぎの品質に合わせ少しずつ配合を変えながら、それも鰻をくぐらせ焼いたあと継ぎ足し継ぎ足しで作ってきたタレです。

その中には少しずつ蓄積されたうなぎの旨味がギュッと詰まっていて、これもまた唯一無二の美味しさを生み出すのです。

このタレを付けながら、またも一本一本手動で火力を調整されたバーナーで焼いていくのです。

「身の奥からふつふつと湧き上がってくるように焼きあがっているか…」
職人さんはそう語って熟練の技で焼き具合を見極めます。
焼きが甘いと思ったウナギは再度焼き機に投入され全身にふっくらと火が入り、やわらかで香ばしい仕上がりとなるのです。

普通の工場ですと、火力や時間を一定にして「すべてが焼けているように」焼きます。

しかしここでは「最もおいしい焼き具合になるように」
うなぎ1つ1つに職人が向き合って焼きあげていました。

濃度を変えたタレの2度付け焼きで仕上がったウナギは、見た目こそ一般的な蒲焼よりも色が薄いですが、食べてみると口に近づけただけで鰻の香りを感じ、旨味があっという間に押し寄せ、口の中で最後まであとをひくコクのある旨さ。

店に行かずして、これほどのウナギを食べることができるとは…!

うなぎ好きは感動すること間違いありません。

うなぎの脂により包丁は1日でダメになってしまいます。
職人さんたちはうなぎとの格闘を終えるとすぐに包丁を研ぎ、次の仕事の準備を行います。

昭和から当たり前のように繰り返されてきた、うなぎへの敬意も感じられるその作り方。
しかしいつの間にか失われ貴重な物となりこうして改めて目に前にすると

「これは間違いなく美味しい!」と感動を覚えます。
素晴らしい仕事だと感じました。

通販で手に入る冷凍蒲焼として、トップクラスの逸品であると自信を持ってお勧めします。

是非、今年の父の日・丑の日は、浜名湖食品の浜名湖うなぎで。
いつもと違う特別なうなぎの日にしてください!

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