北陸3県、独断セレクトの「ごはんのおとも」【特派員ブログ】

つぐまたかこ
つぐまたかこ

こんにちは。
うまいもん特派員・北陸担当のつぐまたかこです。
日本全国で新米が出揃ったようです。
昨今いろいろあるお米ですが、やっぱり新米には心惹かれますね。
今回は、おいしい新米をさらにおいしくする「めし泥棒」な

富山・石川・福井のごはんのおともをご紹介します。

明日地球が滅亡するなら、何を食べるか。俗に言う「最後の晩餐」で、私は30年以上変わらず「白いごはんと明太子」と言い続けています。世の中が健康志向になっても、いいお歳になってきても、「糖質制限って何かしら?」と、白めし大好きを貫く、ごはん党です。
ご存じの通り、北陸は米どころ。そしてごはんのおとも天国でもあります。ここ数年は雪が少なくなったとはいえ、昔から厳しい冬を乗り切るための保存食、発酵食が脈々と受け継がれている土地柄です。昨今はその保存や発酵の知恵をいかしながらアップデートした、おいしいごはんのおともが次々に発売されています。


今回は、北陸3県で作られているたくさんのごはんおともから、個人的な好みで3つをピックアップしました。どれも発酵の知恵から生まれたもの。白いごはんがめちゃめちゃ進んでしまうので、糖質制限には逆行しますが、腸活には有効かもしれません(笑)。

まずは、石川県代表。谷川醸造の「畑の肉みそ」です。畑の肉=大豆ミートのおかずみそ。自社で醸す「さくら味噌」に、みりんや砂糖、お酒を加えたまろやかな味。大豆ミートだけではなく、ほんのり甘酸っぱいドライトマトとサクサクした食感のカシューナッツが入っています。なので、オムレツや野菜のディップにしてもはまるのですが、やっぱりまずは無垢な白いごはんと一緒にその味わいを楽しんでみてください。愛らしいパッケージに記してある「ごはんがほしくなるおかずみそ」に、大きく頷くに違いありません。

製造している谷川醸造は、大正7年創業。能登半島の輪島にあります。昨年の震災で蔵が大きな被害を受けました。蔵の中で長く醸していた大きな木の桶も壊れてしまったそうですが、少しずつ復活し、商品を販売できるようになりました。微力ながら応援し続けていきたいと思っています。
https://sakurashoyu.com/

続いては、福井の「鯖へしこ 焼きほぐし」。福井県若狭地方の伝統料理「鯖のへしこ」を焼いてほぐしたごはんのおともです。若狭地方は、古代から日本海と京都を結ぶ経路でした。江戸時代、若狭沖で鯖漁が盛んになり、その道は採れた鯖を最短距離で京都へ運ぶ街道になり、その後「鯖街道」と名付けられました。その若狭名物…日本酒好きの方なら召し上がったことがあるかもしれません…鯖を糠漬けにして熟成させた「へしこ」を、丁寧に焼いてほぐしたのが、この「鯖へしこ 焼きほぐし」です。米糀や砂糖、醤油などを加えて、ごはんに合う味に仕上げてありますが、鯖の身の存在感もあり、またへしこ本来の「甘酸っぱ塩っぱい」味はしっかり残っていて、お茶漬けにもおすすめです。

実は製造元の米又は、永平寺御用達。胡麻豆腐や朝がゆなどで知られた会社です。筆文字のパッケージに威厳を感じるのはそのせいでしょうか?https://www.yonemata.jp/

最後にご紹介するのは、富山の「発酵ブリ バーニャカウダ」。富山といえば、ブリ。その富山湾のブリを味噌と一緒に発酵させた「鰤味噌」に、オリーブ油やニンニクを加えてバーニャカウダソースにしたのが、この商品。作っているのは、富山県の港町・新湊市にある天保元年創業の味噌・醤油の蔵元、片口屋という会社です。七代目の片口敏昭さんは、ブリや発酵への探究心が半端ない社長。日本で初めてブリの魚醤を開発したのは、2014年。その後も次々と富山の魚に発酵技術を駆使した新商品を作り続け、誕生したのが「鰤味噌」。そして、その「鰤味噌」をもっと食卓に取り入れて欲しいと、バーニャカウダソースにアレンジしたそうです。
もちろん、このまま野菜につける本来の使い方もいいのですが、ごはんにのせると、オリーブオイルのとろみとニンニクの香りが、白いごはんがほんのり洋風に。とはいうもののブリの風味がしっかりしているので、イタリア料理ではなく、イタリアの風を感じる程度。この絶妙な塩梅は、さすが天保元年創業です。https://www.kataguchiya.com/

地球滅亡にはまだ時間がありそうなので、今年は明太子ではなく、おいしい新米と北陸のごはんのおともで、馬も人も肥ゆる秋を楽しみたいと思います。