ひらけ!!築地本願寺。思わず立ち寄りたくなるお寺に…築地本願寺の「寺と」プロジェクトって?(第2回)


こんにちは、築地市場ドットコムのTwitterの中の人です。
築地本願寺の「寺と」プロジェクト、取材日記の第2回はインフォメーションセンターの2Fにある「ブックセンター」についてお送りしたいと思います。

 

仏教書を中心に3,000冊をも取り揃えるお寺の中の本屋さん


フラリと気軽に立ち寄れるお寺の本屋さん、がコンセプトのこちらのブックセンターには、こじんまりとした空間におよそ3,000冊にもおよぶ仏教に関連する書籍が揃っています。仏教に関する書籍なんてハードルが高そうだなあ、と思いがちですが、初めての方でも手に取りやすい入門書や実用書のほか、ちょっと難しい専門的な書籍まで幅広く揃っているのできっとあなたにピッタリな1冊が見つかるのでは?と思います。

 


ブックセンター中央には、築地本願寺のイベントや季節をテーマとした「旬の本」のフェアー台を設置。
仏教にちょっと興味はあるけれど、どこから手をつけていいのかよくわからない、なんて方にオススメの書籍が並べられています。

 


取材訪問時に並んでいた書籍はこちら。

:いきなりはじめる仏教生活
:ありのままに、ひたむきに  不安な今を生きる
:生きるとは

これらの書籍は、どれも「よし!仏教を学ぼう!」と思って手にするというよりは、日々の生活の中でちょっと気になる事や生き方について悩んだ時に「仏教を取り入れてみませんか?」というアドバイス的な内容の書籍となっています。いわゆる、かたくるしくない「やわらかめ」の部類の書籍です。他にもエッセイ集や漫画などが揃っていました。気軽に読めそうです。

 


さらに、こんなユニークな書籍も発見!
お寺の食事と言えば精進料理が思い浮かびますが、最近では健康に気を配る方々の間でも精進料理のレシピって人気があるんだそうです。そんな精進料理のレシピの中に、まさかのイタリアン精進レシピというものを発見してしまいました…!一体どんな料理なのか気になります。

中の人:精進料理にイタリアンというジャンルがあるのですね(笑)
店員Aさん:はい、こちらはやはり女性に人気がありますね。仏教…というよりも、単純にレシピ本として購入される方が多いと思います。
中の人:ヘルシーとかスローフードとかって話題になってますもんね。メニューを選べば、普段の食事でも無理なく取り入れる事が出来そうな気がしますね。

 


旬の本の裏手には、新刊やブックセンターのオススメの書籍などが並んでいます。

 


築地本願寺の本堂は伊東忠太 氏 設計によるもので、その独特なデザインは多くの建築ファンの注目を集めています。

外観にはインド風の意匠が目立つが、1階を基壇風に扱って、列柱のある2階を基準階とする点、パラペットを含めて3層構成にする点など、全体の構成には西洋建築の影響もみられる。外陣手前の広間(前室)は、扉上をステンドガラスで装飾し、キリスト教の教会堂のナルテックスを思わせる。内部には日本の仏教建築の要素もみられるが、この部分に関しては設計者伊東の本来の意図ではなかったとの見方もある。この本堂はインド、西洋、イスラム、日本などの異なるモチーフを融合させた独自の様式を示すとともに、礼拝、説教、会議、事務など、仏教寺院のさまざまな機能を1棟で果たせるような合理的な設計になっており、伊東忠太の代表作の一つである。

(ウィキペディアより引用)

その関係もあって、建築関係の書籍も充実しているんだとか。
また、写真左のおてらくご(お寺+落語=おてらくご)のように、落語を通じて宗教を学べるようなレクチャー本も最近では人気があるようです。

 

築地市場や食に関する書籍もありました!


築地市場で働く中の人にとっては嬉しいコーナーも発見しましたよ~!
ここは、築地市場へ観光でいらした方向けのガイドブックや、築地市場、そして食に関する書籍が集められている棚なんです。

中の人:やっぱり、築地に関連する書籍は外せませんか?
店員Aさん:そうですね。フラリと築地へ遊びに来たのはいいものの、どこをどう観光すればいいのやら、という方にオススメのガイドブックはもちろん、築地そのものの歴史を学べる書籍や、様々な食材が集まってくる市場にちなんで、食に関する書籍も充実させています。
中の人:築地市場で食に関する仕事をしている中の人にとっては、とても魅力的な書籍ばかりが並んでいます(笑)。
店員Aさん:ありがとうございます(笑)。

 


中の人:ブックセンターには仏教を中心にしているとは言え、幅広い種類の書籍が揃っているんだな、という事がよくわかったのですが、これらの書籍はどんな風に選ばれているのでしょうか?
店員Aさん:様々な分野の専門家で構成している、選書委員会というものが存在しています。中には僧侶(お坊さん)の方もいらっしゃいますので、本格的な仏教に関する書籍も自信を持ってオススメする事が出来るんです。

 


店員Aさん:最近は築地へも多くの外国人観光客の方々がいらっしゃいますので、外国語の本も取り揃えています。
中の人:すごいですねー、外国語で書かれている仏教本なんてなかなか見つからないと思うのですがブックセンターに行けば入手できますね。
店員Aさん:仏教(宗教)に関する書籍で言えば、関東随一の品揃えを自負しております。他に、美術書や絵本なども取り揃えているんですよ。
店員Bさん:外国語の仏教本に関しては、お土産で買うというよりも、外国人の門徒さんが買われていくケースが多いように感じますね。

 

こんなにキュートなブックカバー、貰えちゃいます


ブックセンターには平日で30~50人前後、週末にはその倍以上のお客様が訪れるそうですが、基本的にはこじんまりとした空間の本屋さんなので、静かな雰囲気の中ゆったりと書籍を選べると思います。築地本願寺へのお参りのついでに、という感覚で寄って頂けるように、やわらかめ部類の書籍を並べたり、入りやすい雰囲気づくりを心掛けているんだそう。

店員Aさん:大幅な書籍の入れ替えは基本的にはありませんが、選び抜かれた仏教に関する本を並べています。
中の人:まるで本のセレクトショップのようですね。
店員Aさん:ありがとうございます!リピーターのお客様も多くいらっしゃいまして、本をご購入頂いた際にお渡ししているこちらのオリジナルブックカバーも大好評なんです。
中の人:わー、カワイイ!これ、お寺のロゴマークがデザインされているんですね。

 


店員Aさん:また、本願寺出版社の電子図書に関しては無料Wi-Fiに接続して頂くとおよそ70冊ほどのタイトルを無料で閲覧する事が出来ます。
中の人:え!無料なんですか?
店員Aさん:はい、無料です。ポータルサイトに接続して頂くと目次などが表示されますので、お好きなタイトルをお選び頂くだけで読む事が出来ますよ。
中の人:パソコンやスマホなどがあれば、ここに来るだけで読めちゃうんですね?
店員Aさん:リピーターの方などは、この下(1F)にあるカフェや休憩所などに何度か訪れて、その度に続きを読む…なんていう使い方をされているようです。

 

「人生の1冊」を見つけて欲しい


築地本願寺カフェ Tsumugiを利用しているお客様の中にも、こちらの無料Wi-Fiを利用して読書を楽しんでいらっしゃる方が多いんだそうです。また、人気のカフェメニューである「18品の朝ごはん」の18という数字の意味についても、ブックセンターでお取扱いがある本を通じて知ることが出来るんですよ。

店員Aさん:築地本願寺や築地市場散策のついでに、カフェ利用の帰りに、など、きっかけはなんでもよいのですが、幅広い方に遊びに来て頂きたいなと考えています。その為、仏教に関する書籍を幅広く取り揃えてはいますが、まずは興味のあるところから入ればOK!です。気軽に声を掛けて下されば、私達もお客様の「人生の1冊」となるような本が見つかるよう、お手伝いさせて頂きます。
中の人:「人生の1冊」、っていいですね。

ちなみに、初めてブックセンターへいらした方がよく購入されるのは、こちらの書いて味わうシリーズです。取材訪問時の人気ナンバー1でした。

 


人気ナンバー2は「歎異抄」、ナンバー3は先にご紹介した「ありのままに、ひたむきに 不安な今を生きる」でした。

中の人が気になったのは、写真右のくらしの仏教語豆辞典です。例えば「くしゃみ」や「接待」などなど、日ごろ何気なく使っているあの言葉、実は仏教語だった…!なんていう、私達の日々の暮らしがいかに仏教と関係しているのかがわかる、ちょっとした豆知識本となっております。読むと「へー!へー!」と言い続けてしまいそう(笑)。

 

ブックセンターの店員さんのオススメの1冊は?


最後に、ブックセンターで働くみなさんのオススメの1冊を教えて頂きました!

店員Bさん「超カンタン英語で仏教がよくわかる」です。これは単なる外国語で書かれた本という訳ではなく、あえて英訳されている事でより仏教がわかりやすくなっているという不思議な本なんですよ(笑)。日本語訳も勿論ついていますので、英語の勉強をしたいという方にもオススメできます。

 


店員Cさん:私のオススメはこちらの「見仏記」ですね。
中の人:あ!いとうせいこうさんに、みうらじゅんさん!
店員Cさん:そうです、そうです。サブカルの分野でもお名前が知られている方々の書籍ですので、初めての方でも読みやすいと思います。
中の人:仏像とかに興味がある人にはたまらない1冊のような気がします。
店員Cさん:入門書として是非お読みください。

 


中の人:せっかくなので、お坊さんが選ぶ一冊という事でオススメをお願いします。
築地本願寺広報Kさん:私は2冊あるのですが…どちらも著者が西本願寺の門主と前門主という事で。これは仏教入門書というよりも、どちらかというと難しい時代を生きるヒントを得られる本というか。一般の方向けに、日々の生活にどう仏教を取り入れるのか、がわかりやすく書かれていると思いますので是非オススメしたいと思います。
中の人:ありがとうございました!

ブックセンターはインフォメーションセンターの2Fにあるので、最初はちょっと入りにくいかな…と心配していましたが、店員さん達がとっても親切にブックセンターのご紹介をしてくださったり、またオススメ本探しのお手伝いをしてくださって、とてもアットホームな空気が流れる空間でした。
お料理本やエッセイ本も充実していますので、まずはフラリと立ち寄ってみてはいかが?

 

築地本願寺ブックセンター
【住所】東京都中央区築地3-15-1 築地本願寺インフォメーションセンター 2F
【営業時間】10:00~17:00(年中無休)
※オフィシャルショップ左の階段を進んでください

※2018年4月下旬に訪問しました