半夏生(はんげしょう)にタコを食べる理由とは?縁起担ぎとタコの捌き方をご紹介。

梅雨が明けるころ、今年は7月1日(例年は7月2日)にやってくる「半夏生(はんげしょう)」。

この時期にタコを食べるという風習が、特に関西地方を中心に古くから伝えられています。その理由は、農業と深く結びついた「豊作祈願」にあります。

田植えを終えたこの時期、稲がしっかりと根を張って育っていくことを願い、「タコの足のように根が地中に広がりますように」との思いを込めてタコを食べるのです。八本足で大地に吸いつくタコは、まさに稲の成長と結びつく縁起物。タコの吸盤に「根を張る」「地に足をつける」といった意味を重ねる、昔ながらの知恵と祈りが込められています。

また、タコは「多幸(たこう)」とも読めることから、家族の健康や無病息災を願う縁起物としても親しまれてきました。

近年ではこの風習が少しずつ全国にも広がり、半夏生の時期にスーパーなどでもタコの販売が見られるようになっています。古くからの知恵に触れながら、季節の節目を感じる——そんな縁起のいいタコを、1尾捌いてみました。

まずは、タコの脚を1本1本付け根から切り落として胴体と分けていきます。

頭と胴体を切り離し、胴体は真ん中に口があるので、切り込みを入れてタコの歯を取り除く。頭は適当にカットしやすい様に半分に切る。内臓や口がある場合は取り除く。

脚付け根、吸盤とは反対側の皮と身の間に包丁で切れ目を入れて、手でゆっくりと皮を剥がす。こうすることで食べた時の食感がよくなります。(皮を取らなくても食べられますので、お好みで。)

脚の先端部分を切り落とし(オスのタコの3番目の脚の先は、生殖器になっているため、気になる場合は避ける人もいます。)包丁を寝かせて削ぎ切りにしていきます。

頭や胴体はブツ切りにしておくと色々な料理に使えます。

あとは盛り付けるだけで、タコの刺身の完成です。

タコは高たんぱくで低脂肪でタウリンが豊富な食材。暑さで食欲が落ちがちな夏にも、あっさりと食べやすく、和え物や酢の物、タコ焼きやアヒージョ、唐揚げなど、様々な料理に活用できます。

「半夏生(はんげしょう)」にタコを食べて、縁起担ぎをし、美味しく健やかに夏を乗り切りましょう!

(水産担当:平林)