こんにちは。食文化スタッフの多田です。
新人研修の一環として、桃に関する歴史を調べています。
民俗学や言語学、多岐にわたる分野で桃が取り扱われていて、とても面白いです。
今度、それらをまとめて、お話できればと思います。
さて、先日先輩から、食べ比べにと桃を二玉用意していただきました。
「はつひめ」という可愛らしい名前。
どうやらこの桃、早生品種で、福島で誕生した品種で、7月上旬が旬の模様。
早速、次の日の朝に食べようと、ルンルン気分で帰宅。
次の日、冷蔵庫を開けた瞬間から桃のいい香り!
絶対においしい!
御託は後にしていただきます!!!!
……。
先輩から貰ったのは二玉だったのに、写真が一玉分しかないのはそういうことです。
全部食べる前に気付けてよかった、と気を取り直して、もう一玉もいただきます。
食べた瞬間、最初に思うことは
「みずみずしい!」
です。
日本の桃のほとんどが水蜜桃の子孫だといわれています。
明確に言うと、白鳳系、白桃系がそれに該当し、
はつひめの母であるあかつきは白鳳と白桃をかけあわせたものです。
「○○白鳳」や「○○白桃」といった品種名はよく聞きますが、
白鳳と白桃は何が違うのか、はつひめはどんな特徴なのか、
せっかくなので調べてみました。
白鳳は桃の中でも早生(6月中旬~7月上旬)あるいは中生(7月中旬~8月上旬)です。
特徴としては甘味と柔らかめの肉質が挙げられます。
一方の白桃はシーズンは遅く、中生あるいは晩生(8月中旬~9月上旬)で、
果肉の色が赤みを帯びた白色、しっかりした肉質が特徴だそうです。
はつひめの父「はつおとめ」はその二つとはまた違う品です。
6月中旬から収穫される極早生に分類され、サイズは小ぶりであるものの、
多汁で香りが強いこと、糖度は10度前後となっています。
そして、甘味が強く果肉が固い中生桃「あかつき」と
多汁で香りの強い極早生桃「はつおとめ」をかけあわせたものが、
甘味が強く果肉が柔らかい早生桃「はつひめ」です!
柔らかめの果肉を噛み締めるとあふれてくる果汁は、まさに「蜜の水」そのもの!
はつひめの糖度は14~16度にもなるそうです。
これぞ「水蜜」です。
それだけ糖度が高ければ、甘さもくどくなるのでは?と思ってしまいますが、
そんなことはありません。
強い甘さのなかに、どこか爽やかさがあります。
濃厚というよりもすっきりしたコクのある甘さ。
のどをさっぱりと潤したあとから「もう一個…」と後を引くコクも出てきます。
暑い夏に食べるのにピッタリな桃でした。
新人スタッフ 多田