食の会レポート:丹波・摂津の松茸

こんにちは、商品部の高岡です。

先日、東麻布の本社で開催された「食の会」に参加してきました。
弊社では「食の会制度」を利用して、自社で扱う食材を実際に料理して食べ、食のプロフェッショナルになるための経験を積むことができます。

この会の本質は学びにあります。
社員同士の交流を深めることも重要ですが、研修に参加するつもりで味わってきました。

今回は、私自身が学んだことも含め、食の会の様子をレポートいたします。

さて、今回のメインはこちら。
兵庫県は丹波・摂津の松茸です!

丁寧に包まれた竹編み籠を開いて、まず驚いたのが、
松茸のひとつひとつが大きいこと。

小さい物でも1本100g以上はありそうな立派な松茸が、10本入っています。
一番大きなものは、両手では収まりきらないほどで、重さは衝撃の189g!

丹波・摂津の松茸は、これまで私が見た松茸の中でも特に軸が太く、
指で押しても跳ね返ってくるしっかりとした弾力もありました。

香りの高さもまったく違います。
市場に入荷した松茸を検品していると、
少し土臭いと感じることもあります。

しかし、丹波・摂津の松茸は、上質な松材に似た品のある香りがふわりと漂ってきて、
思わず深呼吸したくなるような素晴らしい匂いでした。

まだ食材を見ただけですが、これを料理したらさぞ美味しいだろうと、食への期待が高まってきました。

表面に付着した土を丁寧に拭い、石突を削ぎ落としました。これにて下処理は完了です。

まずは松茸を炭火で焼きます。

焼き松茸は、丁寧に割いて塩とすだち果汁でいただきます。

香りの芳しさは言うまでもないですが、保水力の高さには驚愕しました。
松茸のうま味を凝縮したスープが溢れてくるようで、滋味深い味わいでした。

次はすき焼きで楽しみます。
肉は三田牛のロースです。

三田牛は、丹波・摂津の松茸の産地に程近い兵庫県三田市で育てられた、但馬牛をルーツとする牛です。

江戸時代の役牛の肥育技術をもとにした伝統的な方法で育てられた牛の肉は、きめ細やかで見事な霜降りです。

白菜、春菊、長ねぎ、只管豆腐を加え、火が通るまで割下で軽く煮て、いただきます。

松茸の繊細な風味は、流石に醤油と砂糖に負けてしまうだろうと思っていました。
しかし、割下で煮てもなおその香り、うま味は健在で、歯ごたえも残っていました。

シャキシャキとした食感の松茸と、溶けるような食感の三田牛の対比も素晴らしく、美味を楽しむことができました。

最後は、松茸ご飯です。
炊飯器の蓋を開けた瞬間に立ち昇る湯気と松茸の香気が、食欲を刺激します。
お焦げもあって、炊き加減はバッチリです。

濃口醬油を使ったので、塩気は薄く感じましたが、それが却って良く
油揚げの油分、米の甘みも相まって、松茸のうま味が引き立っていました。

今回の食の会を経て、
丹波・摂津の松茸は素材の良さが格別で、何物にも代えがたい価値があると思いました。

何より、素材の味を生かした焼きは、この松茸を堪能するにふさわしい食べ方でした。

来年は自分でも松茸を購入して、土瓶蒸しや魚との組み合わせを楽しもうと思います。

食文化 高岡