食べたら黙る、ルビーロマン。「宝石にいちばん近い果実」【特派員ブログ】

つぐまたかこ
つぐまたかこ

こんにちは。
うまいもん特派員・北陸担当のつぐまたかこです。
暦の上では秋に入っているらしいのですが、相も変わらず連日の猛暑。
酷暑を最後まで乗り切るには、おいしいものが不可欠ですね。
そこで今回は、夏のご褒美にふさわしい高級ぶどう「ルビーロマン」をご紹介します。

「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」。ご存じの方も多いと思いますが、これは福岡県が誇るいちご「あまおう」の由来です。ですが、石川県民だと「あら、ルビーロマンのことかしらん?」なんて、厚かましくも思ってしまうんですね、これが。
「ルビーロマン」は、石川県が14年の年月をかけて開発したオリジナル品種のぶどうです。赤くてツヤツヤの実は、ひとつ粒がピンポン玉ぐらいの大きさ。食べると、口の中がルビーロマン独特の甘さと酸味を感じるジューシーな実と果汁でいっぱいになります。そう、黙っちゃうのです。
しかも、口の中がいっぱいでしゃべることができない間、脳内から幸せホルモンでも出ているのでは?と思うような至福のときが流れます。これは、単なる地元びいきなのか、私の食い意地が張っているからなのか、誕生のときから見守っている「オカン」な気持ちからなのか…。


ルビーロマンに初めて出会ったのは、2007年8月。品種登録の5ヶ月後に開かれた「ルビーロマンを楽しむ会」に特別サポーターとして招かれたときです。ひと粒の大きさに驚き、甘いけれどたっぷりの果汁のせいか舌に残らないさっぱりした味わいの虜になりました。ただ、その頃はまだ生産者のみなさんも試行錯誤中。収穫量も少なく(2008年出荷量834房)、まだ種ありぶどうでした。そして、ハードルの高い規格に一抹の不安を覚えたのも事実です。
その規格は、房の重さ350g以上(出荷初年度は一房450g以上)、一粒当たりの重さ20g以上、糖度18度以上、それに加えて色などの厳格な出荷基準が定められていて、規格外品は販売することができないという、とても厳格なものでした。

右からデラウエア、巨峰、ルビーロマン。

あれから18年。生産者さんたちのたゆまぬ努力もあって、2024年の出荷量はデビュー時のおよそ30倍、24,042房に。毎年話題を呼ぶ初競り額は、2015年以降毎年100万円を超え、一昨年は一房160万円の値を付けました。
このルビーロマンの初競りがニュースになると、「ああ、夏が来たな」と。食いしん坊の石川県民にとって、夏の風物詩は、海開きでも花火でもなく、ルビーロマンの赤い輝きだったりします。


「食べたことある?」「お盆に実家でありがた〜くいただいた」「直売所でもまだ1房1万円超えてたわ」「1粒300円で売っとったよ」「ひとつぶぅ〜?!」。夏の風物詩でもあるルビーロマンですが、実は石川県に住んでいても、気軽に買えるぶどうではありません。なので、食べるときは特別扱い。
冷蔵庫の野菜室で、ほかの野菜がぶつからないようにしてそっと冷やします。とはいえ冷えすぎ禁物!1時間ぐらい冷やしたら食べ頃です。冷蔵庫から出したら、その房の形を愛でてください。生産者さんが丹精込めて作った姿、惚れ惚れします。さぁ、いただきましょう。房からそうっと外して、皮を剥くのですが、皮を全部剥いちゃうとおいしい果汁がこぼれてしまう。ルビーロマンはとってもジューシーなのです。なので、4分の1ぐらい剥いたら口に向けてスルッと押し出しましょう。
ほうら、口の中がルビーロマンでいっぱい!誰もが黙ってしまいます。通な人に「ひと粒ずつ凍らせて楽しむのもオススメ」と聞いて、試してみました。カチカチになったルビーロマンの皮を剥きながら、ショリショリ少しずつかじると、高級シャーベットみたいな味わい。生に飽きたら試してみたい、ちょっと贅沢な食べ方かもしれません。

粒の大きさや房の形など、丹精込めて育てられたルビーロマン

ルビーロマンのお母さんは甘くて大粒の黒皮ぶどう「藤稔」、お父さんは…おそらく赤皮のぶどうなのですが、実は県の研究者もよくわからず、奇跡のような偶然で誕生したそうです。お母さんの藤稔よりも糖度が高く、どのぶどうよりも大きく育ったのが、このルビーロマン。研究者の方々の探究心と生命の神秘に感謝しながら、今年も黙って幸せホルモンに浸ります。

「ルビーロマンスイーツフェア2025」が、9月7日まで、石川県内のほか、首都圏や関西でも開催されています。詳しくは画像のQRコードから。ぜひ一度、一粒食べて黙ってしまう味を体感してください。