桃の美味しい季節、食べごろを前にして「うまく皮がむけない……」と悩んだことはありませんか?やわらかくて果汁たっぷりな分、包丁でむこうとするとぐちゃっとなってしまったり、皮が実に貼りついて途中でちぎれたり……。
今回、そんなストレスを解消するような、“つるんと”むけちゃう方法をお教えしたいと思います。日々、旬の果物を扱っており、もちろん桃のことも熟知している「豊洲市場ドットコムの目利き人」が、2つのむき方をご紹介します。
特別な道具も難しい技も不要。ちょっとした下ごしらえと手順だけで、感動するほど気持ちよくむけるんです。
①お湯と氷水で、“つるんと湯むき”

もっとも簡単で、失敗の少ない方法が「湯むき」です。「えー、なんだあ」とガッカリされた方もいるかもしれませんが、これはもういろいろ試した上で導き出された最適解!湯むきが一番、皮をつまんだ瞬間にスルッとむけていく快感が味わえます。
さて、まずは桃の表面に生えた細かな“うぶ毛”を取り除くところからスタート(ここも大事です)。流水でなでるようにやさしくこすれば、手触りがキュッキュッからツルツルに変わっていきます。かたい桃なら少し強めに、やわらかい桃ならそっと。
次に、沸騰したお湯に桃を5〜6秒ほどくぐらせ、そのまま氷水へ。

これだけで、皮と果肉の間に“すき間”ができ、端からつまむと…もう“つるんと”いけます。

まるで湯むきトマトのように、きれいにスルスルむけていくのです。お湯が沸く時間だけ待ってもらえれば、その後はあっという間です。
②包丁の背で“つるんと準備”

火を使いたくないときは、包丁の「背」を使う方法でも“つるんと”むける準備ができます。
まずは同じく、桃を洗ってうぶ毛を落とします。そのあと、刃ではなく背の部分で桃の表面をなでるようにこすってください。果肉の形状が崩れてしまうので、力を入れすぎないのがポイント。
すると、皮と果肉の間にほんの少しのすき間が生まれ、むきやすくなるんです。

続いて、縫合線に沿って浅く切り込みを入れたら、皮を左右に開くようにすると……“つるんと”むける感覚が味わえます。

包丁の背を主に使うのでケガの心配も少なく、お子さまと一緒にむくときにも安心。慣れればサッとむける、覚えておくと便利な裏ワザです。
「つるんと」むけるだけで、桃がもっと好きになる
“桃はむきにくい果物”という印象を持っている方こそ、一度この「つるんと体験」を味わってみてください。
大切なのは、皮と実のあいだにほんの少しの“すき間”をつくってあげること。そのための手段が「お湯×氷水」か、「包丁の背×切り込み」かの違いです。
今年の夏は、つるんとむけた桃が皆さんの食卓に並ぶことを願っています。