一無二、東麻布でのお饗し

皆様、こんにちは。食文化の若松です。

普段は豊洲市場で青果の出荷を担当しています。

今回、社長自ら腕を振う特別な食の会にご招待いただきましたので、その模様を皆様にお伝えします。

赤羽橋駅を出てすぐに辿り着いたのが、東京タワーの麓に佇む、5階建ての自社ビル。その最上階に位置するのが、今回の会場となるキッチンスペース。原始的な薪火から最新鋭のの水素ガスコンロまで、様々な調理設備が揃っています。予定時間より少し早く中に入ると、料理担当の方々はすでに準備に取り掛かっていました。緊張気味の私達を暖かく迎え入れて下さいました。

参加者は皆、お酒で喉を潤しながら料理をしていましたが、私は取材活動に支障がないよう、お水を頂きました。今、社内で美味しいと話題のWACOMSのお水を用意して下さりました。山の湧水から汲み取ったようなクリアな味わい。

それでは、ここからはいただいたお料理の数々をご紹介します。

今宵の宴は、白甘鯛からスタート。徳島産の700gの個体を、社長自ら捌きます。手際よく3枚おろしにしたものの、あまりに鮮度抜群で皮引きできないので、アドリブで皮付きのまま薄造りにします。

箸から伝わる身の弾力を指先で感じながら醤油につけると、さらりとした脂が浮くほどの脂乗り。初めて食べる白甘鯛はその名の通り、上品な甘さを感じます。まるで昆布締めをしてあるかのような、むっちりでねっとりとした身から出た旨みが口の中にじんわりと広がり、うっとりするほど絶品です。ただ社長曰く、1.5kgあればもっと旨いとのこと。

次に登場したのは、カーボングラファイトの塊から削り出された社長ご自慢のグリルパン。熱伝導が極めて優れているため、素材内部の水分を閉じ込めたまま、表面が香ばしく焼き上がります。

この鉄板の上でまず焼かれるのは、あか牛精肉販売所の希少なあか牛のハラミ。繊維の向きに対して切り方を変えたり、塩を振るときにあえてムラをつけることで、食感や味わいの違いを食べ比べてもらうのが、社長流。この日出されたお肉は全てシンプルに塩で頂きます。肉汁が十二分にタレの役割を果たすのです。

料理の合間には、特別なルート(?)で入手した自家栽培のセージやイタリアンパセリを仰いで、香りを楽しんでもらうパフォーマンスも。爽やかなイタリアンパセリで空気はリフレッシュされ、セージのスパイシーな香りが食欲をリセット。

密かに薪火で焼かれていた月山筍が焼き上がりました。「熱々のうちに」と社長。アク抜きをしなくても、エグ味がなく柔らかいサクサクした食感。なんでも、若かりし頃、親友と共に食べた思い出の味なのだそうです。

野菜でリフレッシュした後は、仔牛のタンを頂きました。仔牛の肉は成熟した牛の肉と比べて淡白な味わいなので、伊藤牧場の特選松阪牛で挟んで頂く、というなんとも贅沢なアイデアを思いついた社長。これはもう、美味くないわけがありません。サクサクしたタンの食感と特選松阪牛の肉汁が…。社長の狙い通りです。

薪火でじっくり焼いた仔牛の厚切りタンは完璧な火入れで、外はカリカリ、中はプリプリ。食感のコントラストが堪りません。

たっぷりのオリーブオイルとニンニクで炒めた白甘鯛は、外はカリカリ、中はふわふわ。ガツンとニンニク系かと思いきや、優しい味付けと香り。

自家栽培のイタリアンパセリが散らされた社長夫人お手製の芝海老のグラタンは、具沢山で濃厚なのに後味はくどくないのでいくらでも食べられる、忘れられない味でした。

非日常空間での圧巻の料理の数々。

「私の料理は後味を残さない。」

社長のお言葉の通り、宴のあとには爽やかな余韻だけがいつまでも残りました。