完熟ラ・フランスは、まさにフルーツ界の女王です!
洋梨の品種のひとつ、『ラ・フランス』は濃厚な甘みと香り、柔らかな食感が自慢の秋を代表するフルーツです。見た目は良くはありませんが、完熟した果肉はとても味わい深いもので、フルーツ界の女王ともいわれています。
ラ・フランスを美味しく食べるためには追熟させる手間がかかります。追熟など取り扱い方が、あまり周知されていないので、取り扱い方を知らない方が多いのではないでしょうか。しっかり追熟させて完熟したラ・フランスの味を知らない方も見受けられるのは、とても残念なことです。
今回は、洋梨の生産量日本一を誇る山形県産のラ・フランスを美味しく食べるコツを交えてご紹介します。追熟、そして保存方法を知っておけばラ・フランスの上品な風味の虜になるはずです。今が食べ頃のラ・フランスをご家庭でも味わってみませんか?
ラ・フランスの主な特徴とルーツは?
いびつな外面、しかしその中身はジューシーな果肉がぎっしりのラ・フランスの主な生産地は山形県です。全国の生産量の約80パーセントを占めている山形県の、土壌の豊かさと昼夜の温度差が大きい独特の気候がラ・フランスの生産に最も適しているのです。
ラ・フランスの収穫時期は10月中旬~下旬頃で、11月中旬~下旬に出回り始めてからが食べ頃です。晩秋を代表するフルーツとして、今の時期に味わっておきたいですね。旬が短めなので、見かけたら早めに購入することをおすすめします。
ラ・フランスは、フランスのクロード・ブランシェ氏が1864年に発見したとされる品種です。日本に持ち込まれたのは1903年で、当時は食用ではなく受粉用として導入されたといわれています。本国フランスでは、気候が合わないためにほとんど栽培されなくなり、今や日本での栽培が盛んになりました。
収穫直後のラ・フランスは、果肉が固く甘みも無いので食べられる代物ではありません。追熟を経ることで果肉が柔らかな食感になり、糖度も14~15度と最高の甘さを極めます。
今回ご紹介するラ・フランスも、購入直後は果実が固かったので1週間追熟させたところ
絶品の味わいに仕上がりました。ラ・フランス購入後から追熟まで、美味しく食べるための過程を追っていきましょう!
追熟後のラ・フランスの変化は?
ラ・フランスを購入直後した当初、表皮が黄緑がかった色付きでした。日数を経るにつれてわずかにですが黄味が強くなり、茶色いシミ模様が目立ちました。おしりの周りが柔らかく、軸周りにシワが寄り、軸自体がしおれてきたら食べ頃のサインです。香りは感じ取れませんでしたが、食べ頃の時期になると良い香りを放つこともあるそうです。
追熟におすすめの日数は、住環境の温度にもよりますが2日~1週間程といわれています。新聞紙かポリ袋に包み、室内の直射日光の当たらない場所で保存してください。15~20℃位の室温が品質良く追熟させる適温です。
条件次第で熟するスピードが異なりますので、追熟中2日に1度ほどは様子を見ていきましょう。完熟を早めたい場合は、エチレンを発生させるリンゴと一緒に保存する方法があります。
また遅くしたい場合はラ・フランスを密封状態に保ってから3~5℃位の冷蔵庫で保存します。湿度が低い場所で保存することで、追熟のペースが遅くなります。
追熟後は日持ちがしませんので、できるだけ早く食べましょう。食べきれない場合は冷凍保存することで、おいしいシャーベットとしても楽しめます。お好きなタイミングで、ラ・フランスを美味しく食べたいですね。
ラ・フランスの内部に迫る!
熟したラ・フランスの皮はとても薄く柔らかいです。切り込みを入れるとジューシーな果汁が溢れだすので、とても滑りやすくなります。ナイフを扱う際は十分ご注意くださいね。
果肉の色は淡いクリーム色で、和梨よりも色濃く、緻密な感じの色合いです。ラ・フランスを語る上で忘れてはいけない、独特の甘い香りも堪能できます。
種の面積が少なく、食べられる部分が多いのが嬉しいですね。豊かな果汁分による瑞々しさも感じられます。ラ・フランスを食べる前は、冷蔵庫で2時間ほど冷やすと更に美味しさが増し、絶品の風味となります。
ラ・フランスの内部に迫る!
前評判通り、とろけるような食感と甘さと香りを楽しみながら味わうことができました。甘さの中に程良い酸味があるので、甘ったるい感じではありません。梨特有の石細胞が少なく、とてもまろやかな舌触りです。
ラ・フランスを簡単に食べる方法として、果実を半分に切って芯と種をくり抜き、スプーンですくって食べることもできます。手を汚さずに食べられて、切り分けの手間もかかりません。一度お試しくださいね。
ラ・フランスの食べ方をご紹介!
ラ・フランスはそのまま食べても絶品のデザートですが、ひと工夫加えることで更に美味しく食べることができます。タルトのトッピングとしてはとても有名で、生のままでトッピング。もしくはタルトと一緒に焼き上げる、どちらでも上品な味わいが楽しめます。ワインを加えてコンポートを作れば、パンやヨーグルトとの相性も抜群ですね。
カットしたラ・フランスに、生ハムやクリームチーズ、鴨のローストを添えればフランス料理の前菜風の一品メニューの完成です。お肉やチーズの塩気と、ラ・フランスの酸味伴う濃厚な甘さと香りが良く合うのです!サラダのトッピングやお酒のおつまみとして、ぜひお試しくださいね。
まとめ
いかがでしたか?ラ・フランスの追熟のコツを知っておくことで、最高の風味を味わうことができます。ひと手間かかる分、口にした時の充実感は倍増です。今が旬のラ・フランスは、贈り物やお取り寄せグルメとしても選ばれています。最近はネットで追熟や保存法が多数紹介されていますので、参考資料が豊富なのは嬉しいことです。ご自宅でラ・フランスの美味しさを楽しんでみませんか?