世界のソーセージレストラン「hayari」の村上シェフと、タンギョーの生みの親・来々軒の荒張兄弟との熊本珍道中からはや2カ月。
今度は、日本一(当社比)目力のあるシェフ、荒木町・鈴なりの村田シェフと県南を回る。(キラーン)
ちなみに、荒木町の鈴なりは某有名グルメ格付け機関において、1つ星☆を獲得している割烹で、本格的な日本料理を出すお店である。
まずは、球磨焼酎・大石酒造場を見に行く。
敷地内に入ると、左上には看板商品である「鬼倒」の大きな文字、少々見にくいが正面の焼酎グラスの絵の中には般若面が氷のように浮いている。
熊本はそうじゃなくとも頑固な九州男児のイメージがある中で、この看板は何とも怖い。
熊みたいな親方が出てきて「東京もんは帰れ!」とか言われるのではないか?いやきっと高い確率でそうだ。
恐る恐る入ってみると、優しそうな大石喜美子さんと温和な大石祐之さんが丁寧に迎え入れてくれる。良かった。
大石酒造場は明治5年創業。日本三大急流のひとつである球磨川の最上流に位置する酒蔵だ。球磨川の水はとにかく澄んだ良い水で、この川に住む鮎は「尺鮎」と言って30センチにもなる。この地域で食事をしたのだが食べ物もさることながら、水の美味しさに驚いた。
工場を除くと仕込みの最中で、糀と米とが合わさり発酵されブツブツと菌が元気に活動する様子が見れた。
村田さんがおもむろに顔を近づけ臭いをかぐ。
さすが、1流シェフ。好奇心が旺盛である。行動も早い。
ただ、残念な事に、この直後「タンクに顔を近づけると炭酸ガスで死亡事故もありますよ!」と、工場長の祐之さんにキツク注意をされていた。好奇心と行動力も時と場合によるなと良い勉強になった。
(※写真は安全な仕込後の焼酎タンクです)
こちらが凄くて、球磨焼酎をシェリーやブランデーの樽に入れて貯蔵している蔵。
10メートル以上、つみあがった樽は圧巻であった。この樽の中で何年も熟成され、球磨焼酎はさらにうまくなる。
当然、飲み比べをしようと言う事になる。
どうだろう15種類くらいあっただろうか。端から飲みたくなるが、何しろ3日間の行程のスタートのスタート。
これから始まると言うところでベロベロになる訳にもいかない。
こういう時に我慢できるのが、スタイリッシュな現代の男である。
徹底的に飲んで潰れるなど、企業戦士たる我々にはあり得ない話である。
そういう強い意志があると、我々のように13種類でやめる事ができる。うぃ~~~。
年間に3000本しか出ない20年物の焼酎「大石20年酒」はさすがに旨い。旨みの余韻の残り方が違う。
思わず3杯も飲んでしまった上、1本は今晩飲むように、もう1本は持ち帰るように買ってしまった。
更に、最も香りの素晴らしかった、新酵母KF7を使用して作った球磨焼酎「礼世奈(れせな)」も手に入れた。
いきなり素晴らしい場所だ。元気になった。
こうして飲み比べると焼酎の微妙な違いもよく分かった。香りと余韻、舌にの上での旨みの感じ方が1つ1つ違う。
テンション高く次の場所に向かう。
このテンションの高さは持ち前のもので、お酒によるものでは無い事は誰もが知るところである。
つづく