究極の蜜入りりんご「こみつ」について

(株)食文化の田賀です。

今回は、「こみつ」ってそもそもどんなりんご?という説明から、私たちと出会ったきっかけ、そして今シーズンの取組みについてお話したいと思います!

目次

    究極の蜜入りりんご「こみつ」って?

    果肉の約6割が蜜。光にかざせば透けて見えるほどの蜜入りで、輪切りにするとそれは一目瞭然!

    私たち市場関係者に “究極の蜜入りりんご” と言われる所以です。

    初めて見る方は、その蜜の多さに驚くかと思いますが、さらに驚くのはその香りです。入荷が始まると、出荷場は「こみつ」の香りに包まれます。

    糖度は14度前後と十二分の甘さ、程よい硬さで、小玉サイズの食べやすいりんごです。

    視覚と嗅覚と味覚で楽しませてくれる「こみつ」は、当店では圧倒的な人気を誇ります。

    「こみつ」との出会い

    私たちと「こみつ」の出会いは、2007年。今年で取り扱いから16年目になりました。
    初年度、販売できたのはたったの60箱。地道に魅力を発信し続けた結果、昨年(2021年)は25,000箱以上を出荷しました。

    「こみつ」の品種名は高徳(こうとく)です。高徳の品質を高め、究極の蜜入りりんごに仕上げたものが「こみつ」です。

    出会った当時、高徳は蜜入り具合や品質にバラつきがある事、小玉なので市場からは敬遠され、一時は消滅の危機に瀕していた品種でした。

    そんな高徳の品質を高め、究極のりんごに仕上げたのが、旧津軽石川農協(JA津軽みらい石川基幹支店)のこみつの会です。
    こみつの会は、2007年に「こみつ」を商標登録しました。


    当時2名しかいなかった生産者は、現在では81名まで増えています。

    「こみつ」の作柄:2022年

    今年の作柄は、やや大きめに育っています。昨年よりも豊作傾向です。

    しかしながら、8月の初旬の記録的な大雨で、防除や実全体に日光を当てるための葉摘みなどの作業ができない時期があったことから、病気の発生率が高いという声も聞こえてきました。

    産地レポート:10月25日

    10月4日から、2022年度の「こみつ」の予約注文の受け付けを開始しました。

    販売開始と同時に、産地の最新状況をお伝えすべく、青果担当の鈴木がレポートしてきました。

    青果担当:鈴木
    青果担当:鈴木

    産地レポートでは最新状況だけでなく、目利きポイントも紹介しています。

    収穫応援:11月6日〜10日

    11月に入り、「こみつ」の収穫は繁忙期に入ります。

    収穫応援のために、当社の応援部隊が発足。11月6日に産地青森県の工藤敦さんの圃場へ向かいました。

    こみつの会 工藤さん

    工藤敦さんは、「こみつの会」の副会長。お父様の代から多くの農家が高徳から他品種に切り替える中、その才能を信じて大切に守ってきた方です。

    豊洲市場ドットコム(株式会社食文化)より、応援隊員は2名。前田と川島です。

    (左)前田(右)川島

    青森までの道のりは、当社のキッチンカー、通称「ディスカバリー号」で向かいます。

    走行距離は約700キロ。片道9時間かかりました。

    収穫応援:1日目

    圃場入り初日は、「こみつ」のほか、サンふじなどの他品種の収穫を手伝いました。

    本来、玉割れが少ないサンふじも8月の大雨の影響を受けているようで、規格外品が多く出ています。

    決して収穫体験ではなく、戦力になるよう収穫・検品まで一貫して働きます。

    収穫応援:2日目

    収穫応援2日目は残念ながら雨でした。

    それでも、びしょ濡れになりながらも収穫は行います!産地では当然のことです。

    サシャ、名月、アンビシャスの収穫を行いました。

    特に名月の収穫は苦戦したそうです。黄色の果皮は収穫するタイミングの見極めが難しいからなのだそうです。

    収穫中に雨が止み、空には虹がかかった様子も写真で送られてきました。

    JAへの持ち込みも手伝いました。

    収穫応援:3日目

    この日は工藤さんに紹介いただいた、齋藤さんの圃場にてひたすら収穫のお手伝いをしました。

    齋藤さんは34才の若い農家さんで、JAの青年部会に所属しています。

    「若い農家さんと意見交換できて、さらには ”凄く助かった” との言葉をもらい、収穫応援の本来の目的を達成できました!」と、隊員2人は満足げに話していました。

    収穫応援:最終日

    工藤さん・齋藤さん両圃場にて、「こみつ」の収穫をしました。

    この4日間、実際に収穫を経験したことで、気づいたことがありました。

    ・煤点(すすてん)といわれる表皮につく黒い点が、わずかでもあれば価値が下がってしまうので、1玉ずつ目を光らせなくてはならない。

    ・不安定な高所の収穫時も、片手のカゴを少しでも傾ければ打ち身になってしまうので注意しなければならない。

    ・素人の収穫でやりがちなツル抜けは、販売時に1/3程度の価格になってしまうので慎重に行わなくてはならない。

    などなど、一部の苦労に加えて

    「市場では見えない生産者さんの1玉1玉に対するこだわりや、送り出す商品への愛を直に感じることができた。」と、隊員2人は話していました。

    もちろん、東京まで走行距離約700キロ、片道9時間の帰路につきます。


    【こみつ収穫応援部隊から】

    収穫応援部隊
川島
    収穫応援部隊 川島

    農地では、ひたすら収穫の手伝いをさせていただきました。
    凄く助かったとの言葉をいただき、収穫応援の本来の目的を達成できました。
    これはまだ始まり。

    こういった収穫を応援する取り組みを、もっと実現していきたい…!

    収穫応援部隊
前田
    収穫応援部隊 前田

    今回の収穫応援出張を通じ、市場では見えない生産者さんのこだわりや送り出す商品への想いを直に感じることができました。

    マルシェ販売:11月19日

    ゆりかもめ市場前駅直通の「メブクス豊洲」で毎月第3週土曜に開催している「豊洲場外マルシェ」にブース出店し、「こみつ」を店頭販売しました。

    店頭では、「こみつ」を輪切りにしたサンプルや、ポップを配置するなどアピールしました。

    通り過ぎる人々は、「こみつ」の蜜の多さに驚きの表情で近づいて来てくださいました。

    「これ、買ったことあるよ!香りが凄かった!」というお客様や、「食べてみたかったの~」と、2箱購入してくださったお客様もいて、嬉しかったです。

    「こみつ」販売中

    豊洲市場ドットコムうまいもんドットコム)では、現在も「こみつ」を販売しています。

    今季の販売開始から2ヶ月弱で、注文件数は10,000箱を突破しました。(11/21現在)

    今季の発送はすでに始まっています。
    お手元に届いた方からいただいたレビューは★5の満点評価が多数。
    昨年に続き購入された方からも嬉しいお声が届き、ホッとしております。

    【今季のお客様レビュー】

    ■投稿者:あゆぞう 様

    昨年に続きリピートしました。
    瑞々しく蜜がきれいに入って甘みと酸味のバランスも程好く、美味しかったです。大満足です!
    特に今回、多めに購入し、家族の友人にもお裾分けして大変喜ばれました。来年も楽しみです😊

    ■投稿者:みーちゃん 様

    今年のこみつは大変美味しかったです。
    りんごのシャキシャキ感があり特に美味しく頂きました♪昨年よりは今年は良かったです。

    引用元:https://www.tsukijiichiba.com/user/product/17047

    果樹の栽培や販路開拓には実に長い時間が掛かります。

    「こみつ」も10年以上を費やして、やっとここまで来ましたが、そう簡単にはこんなスター選手は育ちません。


    召し上がったことがある方も、まだこみつを体験したことがない方も、「こみつ」をぜひお楽しみいただきたいです。

    今後も、1人でも多くのお客様に、生産者の愛が詰まった「こみつ」をお届けします!