
豊洲市場ドットコム仕入れ担当の平林です。
先日、豊洲市場を周っていると「刺身 コバンザメ」と売られているのを目にしました。
コバンザメは食べた事が無かったので、当店スタッフで購入し捌いて皆で食べてみる事に。

「コバンザメ」と言いますが、実はスズキ目に属するサメとは全く別の魚。
特徴は何と言っても頭についている小判型の吸盤!水族館とかでも、よく大型魚等にくっついている姿を目にします。取りついた魚のおこぼれの餌や寄生虫を食べて暮らしています。
体表はぬめりがあり、皮がしっかりとしていて固いです。
昔、15㎝程度のコバンザメを飼っていたのですが、水槽に手を入れるとくっついてきてくれて可愛かったので、捌くのには少し抵抗がありました…(そのコバンザメはあっという間に30㎝を超え、水槽が窮屈になってきたので、買った熱帯魚ショップに引き取ってもらいました。)

まずは、包丁でヌメリを削ぎ落していきます。白いのがヌメリです。


小判を取り除きます。後ろの部分はペロッとめくれるので、そこから刃を入れて切り落としていきます。なかなか固い!

次に頭を落として、腹を開いて内臓を取り出します。びっくりしたのが、内臓がかなり強烈な臭い…今まで魚を捌いてきて一番の臭いかもしれません…ちょっとここで心が折れかけます…
素早く内臓を取り出し袋に入れて密閉!まな板や包丁を一回念入りに洗います。この臭いが身についたらとんでもない。


ここからは通常の魚と同じで三枚おろしに。皮が固いので出刃包丁がおススメです。


腹骨を落として、皮を引きます。骨抜きが無かったので、中骨は今回は背側と腹側に身を分けて切り取りました。もう半身の中骨は別の場所で骨抜きで抜きましたが、結構固く抜きづらかったです。
皮を引くと、テカテカしていて脂のノリが良さそう!

腹側と背側の身をスライスして刺身に。
身は淡泊でもちもちした食感で噛めば噛むほど、脂が溶け出し甘みが出てくる、背皮は美味しい白身。
腹側はその味わいに加え、ほのかに独特のクセも感じました。クセの表現が難しいですが、自分はエイの刺身のような発酵臭がほんとにわずかに感じました。もしかしたら、内臓の臭いが若干移ってしまっているのかもしれません。でも食べれないクセではなく、焼酎等のお酒に合いそうな良いクセです。しかし、気になる人はいると思います。
もう半身は家で煮付けにしてみましたが、生姜も加えると腹側のクセがなくなり、甘みもあり脂があるのでホロホロした上質な白身の煮付けが出来上がりました。(美味しくて食べてしまい、写真を撮り忘れるという…)
腹は煮付けにし、その他の部位は刺身等シンプルに味わうのがおススメかもしれません。
入荷が不安定なので販売検討中ですが、もし皆様にお届けする際は、内臓を取ってしっかり腹の中を洗ってから出荷するようにしますので、安心してください。