泉久×豊洲市場ドットコム「北海道産ホタテがたっぷり入る!魚介で出汁をとったスープカレー」が完成 #食べるぜニッポン!

食文化スタッフの田賀です!今回、北海道産ほたての認知度向上と消費喚起の一環として、豊洲市場の水産仲卸「泉久食品株式会社」と「豊洲市場ドットコム」がタッグを組み、国内での更なる消費拡大に向けて、北海道産ほたてを使ったスープカレーを作りました。

「泉久(泉久食品株式会社)」は豊洲市場において水産品の販売や卸売を行うだけでなく、仕入れた新鮮な魚を、刺身や切り身、干物などにしてキッチンカーで移動販売しています。
都内近郊の方にも鮮魚が身近になるサービス!さらに仲卸から直接魚の魅力や調理法なども聞けるなんて、嬉しいですよね。

目次

    北海道ホタテがたっぷり入る!魚介で出汁をとったスープカレー

    今回、豊洲市場ドットコムがコラボさせていただいたスープカレーは、泉久のキッチンカー「La cocina de IZUKYU」で提供されているシーフードスープカレーをアレンジしたもの。このスープカレーには泉久のこだわりが詰まっているんです。

    先日、オリジナルカレーの試作現場に立ち合い、そのこだわりに触れてきました。
    つくるのは、それぞれ和食の料理人、イタリアンの料理人から転身した「泉久」のスタッフ2名。魚の知識だけでなく、料理に対する情熱が人の何倍もあります。

    こだわりその1:魚のアラや端材は20~30種と、ふんだんに使用

    移動販売用に魚を刺身や切り身、干物に加工する際に出てくるアラや端材。本来行き場を失う食材です。泉久のスープカレーに使う水分は、すべてこのアラからとった出汁です。端材は具材に使用します。

    アラは毎回8種以上を1時間半以上じっくり炊いて出汁をとります。魚種は時期や日によって異なります。
    試作時の魚種は真鯛、金目鯛、甘鯛、尾長鯛、さわら、太刀魚、あんこう…等々。約50人前のカレーを仕込むのに使うアラはざっと10kg前後!さらによく見ると、これは焼くなり煮付けたら間違いなくおいしいだろう、という頭や骨周りばかりです。

    魚の旨みを最大限出すため、あえて灰汁を取り切らず、塩も加えません。火を止めてからアラ全体に軽く圧を加えることで、頭や骨髄の旨み成分も抜かりなく抽出します。

    丁寧に濾した出汁は白濁しており魚の脂が輝いています。スパイスに負けない香りです。甘みがしっかりあり、コクもあります。余計なくさみはありません。若干感じろうとも、それはスパイスで掻き消される程度です。
    毎回異なる魚種で、異なる風味や味わいになるところを、バシッとまとめるのは流石としか言いようがありません。

    そして、この日集まった端材はアラの種類に加えてまぐろやサーモン、鱧に貝まで20種以上。多いときは30種類を越えるのだとか。

    これらは酒でくさみを消し火を通して、スープカレーの具材にします。多種多様な端材が入ることで、メインの具材(ほたて、海老、イカ)だけではつくり出せない食感と満足感を生み出し、ご飯も進む仕上がりとなります。

    こだわりその2:沖縄県産の生カレーリーフなど、本格的なスパイスを使用

    独自で仕入れるマサラペーストに、ホールのブラックペッパー、マスタードシード、さらには沖縄県で栽培される生のカレーリーフを使用します。ラインナップは、スパイスカレーを提供するお店にも負けない充実ぶりです。

    ホールスパイスはオイルテンパリングをし、香りを引き出します。そこに生姜やにんにく、カレーリーフ、マサラペーストが順を追って加わります。
    つい先ほどまでふくよかな魚の出汁の香りに包まれていた調理場が、一気に猛烈に空腹感を刺激される華やかな香りで満たされます。

    こだわりその3:ぷりぷりな北海道産生ほたて貝柱を3粒使用

    本題を忘れてはなりません。今回は北海道産ほたての認知度向上と消費喚起の一環としてつくり上げるコラボ商品、せっかくならば妥協しない原料を使いましょう!と、北海道産の生のホタテ貝柱を使います。大きさは21~25玉、粒の直径5~7cmのLサイズです。

    他にも大振りの海老、イカが入りますが、ほたては3粒が丸ごと入るので断然存在感があります。

    ほたてはスープカレーに直接加えて火を通すのではなく、予め火を入れて食感を残します。香ばしい焼き目を付けつつも、内側には火を通し過ぎない加減です。

    時間をかけてとった魚のアラの出汁とカレーペーストをあわせ、ほたて同様に火を通した海老とイカを最後に加えて完成です。


    試食させていただきました

    出汁の香り、スパイスの香り、魚介を焼く香り、それが合わさって…。目を離さず見て、香りを嗅いできて、それだけでも満たされていましたが、わたしのお腹はしっかり極限状態。
    と、ここで、できたてを試食させていただきました。

    まずは、スープをひと口。豊かな香りに魚の出汁がはっきりと感じられ、スパイスの風味は心地よくも清々しい刺激があります。小麦粉を使わないので重く感じず、一瞬で虜になってしまう味わい。
    ほたてを頬張ると大振りならではのプリッとした食感に、旨みを贅沢に感じられます。炒めて加えた何種もの端材の食感も楽しく、何の魚だろう!と、想像しながらいただくのも面白いです。


    後日、冷凍して商品化したものも試食しました。

    改めて、カレーの量に対して具材の存在感はほたてを筆頭にたっっぷり。

    温め方は湯煎がおすすめです

    欲を言えば、流水解凍や緩慢解凍で常温に近づくまでに解凍してから、湯煎で具材に程度に短時間で火を入れる手順をお試しいただきたいです。
    お好みの方法で構いませんが、温め方次第で具材がかたくなってしまうこともあるので湯煎を推奨します。ぜひ!

    さて、温めたら器に移し、ごはんも用意します。
    ごはんとあわせて召し上がる際には、ひとつの器にごはんを盛り、そこにスープカレーをかけてしまうよりも、器は別々にしてご飯をすくったスプーンをスープカレーに浸して食べるのがおすすめです。

    スープがしみじみ美味。ごろごろはいった魚介で、心もおなかも満たされます

    やはり何と言ってもスープが美味。出来たてよりもスパイスの角が取れ、魚の出汁、具材の旨みと重なり、さらに深みが増した気がします。
    ほたても崩れずにごろごろと入っていて、気分が上がります。お好みで卵などの具を追加しても良いですが、これだけでも十分満足です。
    出汁には魚のアラから栄養素が染み出ているのも嬉しいですよね。このスープカレーはいつ何時も、食べたら元気になれそうな、そんな味わいです。

    アレンジも多様!冷凍庫に常備したいスープカレーです

    冷凍商品ですので、ストックしておいて気が向いたときにいただけます。
    楽しみ方もごはんとあわせるだけでなく、スープとして単品でも、パンやナンを浸しても、好みでとろみをつけて麺にアレンジしてもいいですね。

    “泉久だからこそ作れる”他には無いスープカレー

    味わいにブレはありませんが、製造日ごとに変わる魚種をお伝えできればと思っています。
    本商品は当店限定販売のコラボ商品ですが、出来たてのカレーを食べるためだけに「泉久」のキッチンカーを探して訪れる価値も十分にあります。
    本来、フードロスになってしまうような端材が生まれる魚屋。そんな端材を無駄にせず、“泉久だからこそ作れる”他には無いスープカレーをぜひ楽しんでいただきたいです。