いちご だんめん図鑑が出来るまで(第2話)


こんにちは、築地市場ドットコムのTwitterの中の人です。
いちご だんめん図鑑が出来るまで、今回は小学館のスタジオにて苺の断面図を撮影した時のお話をしたいと思います。

絵本図鑑に掲載したすべての苺の断面図の画像は、プロのカメラマンさんに改めて撮影をして頂きました。小学館と言えば…そう!小学館の図鑑NEOです。動物、宇宙、恐竜などなんでもありますが、もちろん野菜と果物もあります。その関係もあり、これまでに沢山の野菜やフルーツなどを撮影してこられたようですが、「苺の断面図を撮影するのは初めてです」と言われてしまいました(笑)。


撮影日に持ち込まれた苺の数々。たぶん、3~4回にわけてガーッとまとめて撮影したんだったかな…?沢山の品種の苺が同時に出回る期間って限られてしまっているので、中の人と編集部の方が手分けしてあちこちから苺を集めて、毎回10品種近くを一気に撮影したのでした。


でも、絵本図鑑にはどうせ1品種につき1枚しか写真は使わないんでしょ?
…と思ったら大間違いです。これがまた、撮影にえらい苦労しまして。苺はとにかく、衝撃に弱いフルーツなので、築地市場から撮影スタジオへ運ぶ際も冷や冷やしながら両手でしっかりと持ちました。なるべく衝撃を与えたくなかったのでわざわざ緩衝剤を追加で入れたり、1品種につき4パック分くらい持って行って、その中で一番状態がよい苺を選んで撮影してたんですよ~。


主役は君だ!

 

まるでトップモデル並みの扱い


パックの中から選び抜かれた苺ちゃんは、特別に用意された撮影台の上へそーっと運ばれます。


まるでトップモデルを撮影するかのように、ちやほやとされる苺ちゃん。品種によりそれぞれサイズも形も色合いも全て違うので、その都度ライトや角度を調整しながら、ベストショットをおさえていきました。


この時の撮影で中の人が学んだ事がひとつあります。
それは、苺のヘタ!中の人が自分で撮影していた時は、邪魔だったのでヘタはあらかじめむしってから撮影してたんです。でも、絵本図鑑に掲載する苺は「(外観は)ヘタがあるほうが可愛いし、緑が映えていいと思う」という編集部の方の提案でヘタがついたまま撮影する事になりました。で、このヘタ。改めて見比べてみると、断面図同様にそれぞれ形が違う…!これは新しい発見でした。
そして、どこからともなく竹串が登場し、モデルさんのヘアメイクを直すかのように、「ヘタ入りまーす」という具合で竹串でちょいちょいと、ヘタの形を皆さんでせっせと整えて下さったり…。たかが苺、されど苺。ここまでするのか!ってくらい、細かい部分まで整えつつ撮影をしているので、絵本図鑑に掲載されている苺の断面図はどれもお気に入りです。

 

徹底的にカワイイ絵本図鑑を目指して


最初は撮影にも手こずりましたが、だんだん慣れて来て、苺のヘタを整える人、苺をカットする人、苺を選ぶ人、などなど役割分担も出来て来た為、後半はスムーズに撮影をする事ができました。中の人は一番最初の撮影時と、最後の撮影時に立ち会いさせて貰いましたが、編集部の方が「ヘタを整えるのがだいぶ早くなりました」を仰っていたのが印象的です(笑)。
残念だったのは、遠方からお取り寄せした苺はどうしても化粧箱に入っている贈答用、つまり大きくて形が立派な苺だったので、「本当はこの品種の場合、もうちょっと小さめなんだけどなあ」とか「もうちょっといびつな形をしてるはずなんだけどなあ」という感じで、品種の特徴がきちんと表現されていない苺もいくつかあった事かな。撮影に間に合わせる為、仕方なかったんですけども。


スタジオにおさまりきらず、廊下に机を出して貰って撮影を終えた苺を並べてみたところ。圧巻です。別のスタジオで撮影をしていた小さな女の子が途中通りかかったのですが、この苺を見て「わあ~!」と目をキラキラさせていました。あ、やっぱり女の子は苺が好きなんだな、と微笑ましく思ってみたり。今回、たまたま編集部の方もカメラマンさんもデザイナーさんもすべて女性スタッフが中心となって協力して下さったのですが、「徹底的にカワイイ苺だらけの絵本図鑑にしましょう」という事で、本当にビックリするほど細かいところまで苺づくしの絵本図鑑に仕上げて下さったのでした~!もう、本当に嬉しい!
もしかして、皆さんにとっては沢山ある仕事の中のひとつだったかも知れませんが、でも中の人にとってはこれ以上ないくらいに苺の断面図への愛やこだわりがギッシリと詰まった絵本図鑑となったのです。


おまけ。
撮影後、デザイナーさんから差し入れで頂いた美味しいパン屋さんの苺のデニッシュ。苺の断面図もチラ見え。

最初の撮影はこんな風に終了しましたが、この後も数回、撮影を行いました。中の人が駆け付けられない時は編集部の方だけで撮影して下さったり、苺のお手配までしてくださったりとありがたかったです。その間、中の人は何をしていたかというと同時進行で絵本図鑑に掲載する苺の品種についてもう一度調べものをしたり資料をまとめたり、絵本図鑑の原稿を書いたりしてました。普段のお仕事とは別に進めていかなくてはいけなかったので、この時期(だいたい2カ月間くらい)の記憶はあまりにも忙しすぎて実はあんまり覚えてません。とにかく、忙しかったな~という感じ。そして撮影はまだまだ続く…。