この年末は実家の青森で過ごしました。毎年雪が降って寒いので色々と考えてしまうのですが今年は生まれて初めて!?道路に雪がないお正月でびっくりしました。
いつも帰省する度に、決まって買う物、まとめ買いをするものがあります。そのひとつが「若生こんぶ」というおにぎり用の昆布です。
おにぎりにして食べるための昆布で青森・津軽地方の郷土料理です。新青森の新幹線の駅の飲食店でテイクアウトでも売っているので、東京へ戻る新幹線に乗る前にも買うほど好きです。まだ温かさが残るくらいの昆布おにぎりを頬張ると、磯の香りと昆布の旨味が強く感じられて美味しいのです。青森に住んでいた頃はそこまで大好き!な訳ではなかったですが、地元の味が恋しくなってきたのだと思います。
かつて外ヶ浜から金木へ行商に来ていた商人たちがもたらしたと言われており、津軽半島沿岸で冬場に昆布を収穫して干した薄く柔らかい1年目の若芽昆布が「若生昆布」です。簡単にかみ切れる柔らかさです。
文豪の太宰治も若生こんぶおにぎりが好物だったという話をよく聞きます。
津軽半島の北端に位置する青森県外ケ浜町三厩(みんまや)地区は真昆布の有名産地であったことから、津軽地方を中心に昆布の郷土料理があり、明治期からある青森の銘菓「昆布羊羹」も名産地ならではの産物なのかもしれません。かつて昆布は「浜の福の神」とされ、乾燥させて「若狭昆布」として京都や大阪に出荷されていました。1980年代前半には年間800トンもあった漁獲量は90年代以降になると海水温上昇による磯焼けの影響などでほとんど採れない年が続くようになってしまいました。漁場は北上を続けており、天然昆布は相当な高級商材になってしまうというニュースが今は溢れています。
若生こんぶを袋から取り出すとこんな感じです。(冷蔵で10日ほどの賞味です)
長めの昆布が畳まれており、塩が吹いていて、熱々の白米で握ると昆布の旨味と風味にちょうどいい塩梅がプラスされます。
私はある程度の大きさにハサミで切って使います。
ラップの上にカットした若生昆布を置きます。この上に熱々のおにぎりを乗せます。出来るだけ炊き立ての熱々を乗せる事で、昆布の風味と旨味がご飯にしみ出してくれます。昆布から出る風味の具合や旨みもおにぎりで食べてちょうどいい程度なのがまた絶妙です。いつも具材なしで握っています。
まん丸やおむすび型のさんかくに握るよりは、ちょっと楕円形というか俵型を意識します。そうすることで昆布が無駄なくご飯を包み込む面積を増やします。
最近のランチは昆布おにぎりです。いつもほっとする故郷を思い出す味です。
1年1095食の楽しみを。