幻の米を食べ比べ 亀の尾、朝日

こんばんは、食文化の高岡です。
弊社のごはんソムリエ®の八尾から、生産量が少ないため「幻の米」と呼ばれる品種2種をいただきました。

1つは「亀の尾」。明治26(1893)年に山形県で誕生した品種です。
もう1つは「朝日」。こちらは明治時代に京都で発見された品種です。

どちらも、コシヒカリやササニシキなど現代の美味しい米の祖先にあたる日本在来の米で、酒米としても有名です。

いただいたお米は、静岡県の生産者の方が、無農薬・無肥料の水田で育てたものです。
しかも、30年以上も前から無農薬・無肥料での栽培を貫いているとのことですから、非常に希少で価値のあるお米であることは間違いないでしょう。

今回は、この2種を食べ比べて、食味の違いを解説してみます。
香り、食感、味の3項目に着目します。

≪亀の尾≫
第一印象として、香りが強い米だと感じました。炊き上がる前から、部屋に独特の香りが漂います。
稲わらや井草の匂いとでも例えれば良いのでしょうか。刈り終えた後の田んぼの情景が浮かびます。

つやつやの炊き立てご飯を一口。炊飯器の目盛り通りの水分量だとやや硬めの炊き上がりで、歯ごたえが強いです。
粘り気は少ないですが、噛んだときに強い甘みとうま味を感じます。
おかずがなくとも、パクパクと箸が進む美味しさです。

次は卵かけご飯にしていただきます。卵は、青森県田子町の「緑の一番星」です。
この食べ方でも、ご飯の甘さが勝ちますね。卵黄の油分や醬油の塩味にも負けない強い甘みを感じます。
これほど米の主張が強いと、卵かけごはんとしてはアンバランスな印象です。

お弁当にいれたときのことも考えて、冷ましたご飯も食味してみます。
硬めに炊き上がっているからか、パサついた食感になりました。ご飯の甘みは健在ですが、食感が良くないです。
お弁当にするなら、少し柔らかめに炊き上げるのがコツかもしれません。

≪朝日≫
先に亀の尾の匂いを嗅いでしまったからかもしれませんが、こちらはあまり香りを感じません。
多少、お米特有の甘い香りはありますが、強くはないです。
(八尾さんの触れ込みだと、香りが強い品種とのことでしたが……)

朝日も炊き立てを一口。程よい粘り気があり、噛み続けると徐々に甘みが増してきます。
口にした瞬間にインパクトが来る亀の尾とは対照的な印象です。

同様に卵かけご飯で。
最初は卵や醤油の風味が前面に出てきます。これはこれで、卵黄の甘さとキレのある醤油の塩味をはっきりと感じられるので、悪くはないです。
嚙み続けるうちに、ご飯の甘みが追いかけてきます。卵かけご飯をしっかり噛むというのも不思議な話ですが、最終的に調和がとれるわけです。後味はご飯の甘みの余韻が残るので、卵と醤油を求めてまた一口、また一口と進みます。

具材を引き立たせてくれるので、おかずがあると美味しく感じるのでしょう。
朝日米は寿司屋でシャリとしてよく使われるという話を聞きましたが、それも納得です。

最後に冷ましたご飯をいただきます。
こちらもややパサついた食感で、お弁当には向かないかもしれません。
やはりご飯は、炊き立てを食べるのが一番ですね。

食べ比べた結果、上記のような感想を抱きました。
個人的には、亀の尾に強い衝撃を受けました。香りの強さが段違いでしたし、米の旨みをガツンと感じるところが好印象でした。

普段、意識して複数の米の品種を食べ比べたことはなかったので、こんなにも食味が違うのかと驚きました。
こうして比較検討してみると、自分好みのお米に出会えるかもしれませんね。

以上、高岡がお送りしました。