北海道の厳しい環境で育った長芋 根張星(ねばりスター)

青果担当の冲田です。長芋『根張星(ねばりスター)』の産地、十勝池田町に行ってきました。

当店のフルーツの充実度には自負がありますが、野菜の取扱い量はまだまだ。

種類も多く、量販店にはなかなか入荷のない美味しい野菜が日本にはたくさんあります。 野菜の充実度を高めるべく今年色々と見てきた中でも驚きをもらった野菜の1つ、長芋『根張星(ねばりスター)』の収穫があるということで北海道まで行ってきました!

十勝池田町特有の土壌×品種で問題解決!課題から生まれた根張星(ねばりスター)

札幌から車で3時間ほど走らせ、帯広からすぐ近くに位置するJA十勝池田町にて今回ご紹介する根張星は栽培されています。

十勝と聞くと「酪農」、池田町と聞くと「ワインの町」と思われる方も多いでしょう。

農業も非常に盛んで、小麦や豆類、そしてジャガイモや玉ねぎなどが主要作物としてあります。

土地は広々と開けており日が燦々と、十勝川は雄大に流れており、農業に必須の「陽の光」と「水」には事欠かない非常に恵まれた環境です。

このような豊かな環境にある池田町でも向く品目と向かない品目があります。

その1つが長芋。栽培自体は長年行っていましたが、粘土質の重い土のためにどうしても途中で芋が曲がってしまい、マーケットの基準を満たすものが出来ずに悩んでいた、という課題があったのです。

そこに現れた救世主の新品種が「ネバリスター」。

この品種と十勝池田町の土質は合うのではと、青果商社の(株)ワタリが種苗会社と産地とタッグを組み、品種登録された2008年にさっそく試験栽培をスタートさせました。
この考えはバッチリとはまり、品種の特性で硬い土質をものともせず、たくましく根を伸ばすことができました。土壌と品種が見事にマッチし、他の長芋では出せない粘りと旨みを兼ね備えた長芋を収穫できるようになったのです。

他の土地では作れないJA十勝池田町だからこその「ネバリスター」をブランド化しようと、

腕利き生産者が栽培し、厳しい基準をクリアしたものを『根張星(ねばりスター)』と商標登録をし、こだわり野菜を取り揃える販売店などを中心に流通するようになりました。

巨大なブラウで掘り起こして収穫!北海道の圃場は規模感が違う

少し前置きが長くなりましたが、気になる収穫方法から保管、選果までの一連の流れをご紹介していきます。

根張星の収穫方法は2種類あるのですが、ブラウと呼ばれる機械で土を掘り起こして収穫する方法を今回は見ることが出来ました。

超巨大なブラウ。一台で数百万の根張星用の特注品。

この大きな刃で地中深くに埋まっている根張星を掘り上げます。

前で掘り上げられた土の中から根張星を掻き出す部隊
掘り上げられた根張星を選別する部隊

600

600

600

各圃場で11月までに収穫された根張星はこのあと専用の保管蔵に向かいます。

掘ったばかりの根張星は年明けまで寝かし、糖度がのってきた段階で徐々に出荷していきます。

温湿度管理された倉庫。
出荷の出番が来た根張星はここで土を洗浄した後に、サイズ毎に仕分けされ選果されます。
土を洗い落とす機械。ここは意外とアナログでした。

北海道の厳しい環境で育った根張星は驚きの粘りと旨み

実際に産地に行って感じたのは昼夜の寒暖差。日中は日が出ていてそれなりに暖かいのですが、日が落ちてくるとグッと温度が下がってきます。

どのフルーツや野菜にも言えることですが、この寒暖差が甘みを蓄えるにあたって非常に重要な役割を果たします。トウモロコシやじゃがいも、今回の根張星もそうですが、北海道の特産野菜が甘いのにはこの温度差があってのことか、と実感しました。


こうした環境下ですくすくと育った根張星はたくましい粘り強さと出汁などと絡めなくとも甘く旨みがたっぷり。ホカホカのご飯にただ擦りおろしたものをかけ、少しだけ醤油とワサビを落としてかきこめば、素材本来の美味しさを感じることの出来る贅沢な味わい。

一度食べると他の長芋は食べれなくなるぐらいの美味しさだと思います。

年明け以降に今年の新物を販売開始する予定なので、是非楽しみにお待ちください!