
こんにちは、水産担当の中村です!
今回私は、石川県は能登半島、能登とり貝の養殖現場に取材に行ってきました。
先日5/8に初競りが行われ、過去最高値の1玉6万円の値が付けられました!

全国でトップクラスの品質を誇る「能登とり貝」。大玉で厚みのある身は、食感が良く甘みが素晴らしく、市場や料理人の評価も高いです。今回は、そんなとり貝を育てる生産現場をご紹介します。
能登とり貝の生産者は21人。今回は、その中の一人である山本吉昌さんの船に乗せていただきました。

山本さんは、石川県で養殖事業がスタートした初年度からとり貝を育てています。山本さん自身、元々は天然のとり貝の漁師をしていたそうです。
養殖といってもほぼ自然と同じ環境で育てています。とり貝はとにかくデリケートな貝で、少し環境が変わると、大きくならなかったり、死んでしまいます。
山本さんら漁師達は、とり貝がすくすくと育つように手助けをしています。この手助けが結構大変なのです。


とり貝は、左の写真のようにコンテナに入れられ、海の深層で育ちます。貝の居心地の良い環境を作るため、中には無煙炭を敷き詰めています。養殖方法は、はえ縄とイカダ方式があり、海中には沢山のコンテナが吊るされています。

山本さんは、海に出られる日は船に乗って、コンテナを引き上げ、1ケースずつ掃除を行います。自然の中で育てているので、毎年海の環境が違います。如何に大きく育てられるかを考え、掃除の間隔を変えてみたり、日々研究をしています。
コンテナ内の掃除を行うときも、沈めていた深層の海水を汲み上げて洗います。カニなどの別の生き物が入り込んでくることもしばしば・・・

「今までの経験から、どうすれば貝が育つのか考えてる。これが最適は分からないけど、とり貝の様子を見て、ちゃんと呼吸できる環境を作ってあげられるように、毎日試行錯誤してるよ。」と教えてくださいました。

右の殻のように蝶番の部分が丸く膨らんだら出荷の目安。中にはぎっしり身が詰まっています。
2024年1月に発生した「令和6年能登半島地震」により、とり貝の養殖現場も被災しました。
漁師たちが絶えず生育環境の復旧と管理に励んだ結果、震災から2度目のとり貝のシーズンを迎え、順調に水揚げが行われています。
生産量も少ないため、一部の高級料理店や鮨屋で提供されるくらいで一般では購入することがほどんどできません。
当社では、漁協協力のもと、活の状態で鮮度を保ったままお届けいたします。
