タガの豊洲市場日記:茹で真蛸、新物天然岩もずく、つぶ貝 他

食文化スタッフの田賀です!毎朝豊洲市場を巡り、日々の発見を書き留めていきます。

目次

    6月27日(火)今朝の豊洲市場

    茹で真蛸

    茹で真蛸

    6月の夏至の日から数えて11日目にあたる「半夏生」。節分や土用などと同様の雑節の中のひとつで、全国各地でタコやうどん、鯖を食べる日としての慣習が残っています。農作業(田植えを終える)の目安とされ、疲れた体を休めるための昔の人の知恵から生まれました。
    節分に恵方巻き、土用の丑の日に鰻を食べる例と比較すると、半夏生にタコなどを食べる慣習はあまり知られていないですよね。
    ちなみに今年2023年の半夏生は、7月2日(日)です。

    半夏生にタコを食べるという慣習は、関西地方に根付いています。「稲の根が、タコの足のように四方八方にしっかり根付きますように」や「稲穂がタコの足のように豊かに実りますように」との願いが込められているんですって。

    その他、香川県はうどん・福井は鯖を食べる慣習が根付いています。

    半夏生の日に食べる鯖を、その習わしある地域では「半夏生鯖」と呼びます。主に福井県大野市を中心とした地域に伝わる風習です。農民の労をねぎらい、暑い夏を乗り切るためのスタミナ源として、藩主が脂がのった鯖を食べるよう奨励したことが始まりとされています。

    これまで半夏生について曖昧な認識でいましたが、調べて、初めて知ったことが沢山ありました。

    そして、今回は千葉県などで水揚げされた「真蛸(茹で)」と昨日のコラムでも紹介した「あのりさば」を半夏生に間に合うようにお届けできるようご用意もできました~!

    ▲「あのりさば」についてはこちら

    本日初入荷!天然「岩もずく」

    天然「岩もずく」

    新潟県佐渡の天然「岩もずく」が初入荷を迎えました。「藻に付く」ことから名前のついた「もずく」。どれも同じだと思っていましたが、天然の「岩もずく」は繊細ながら食感が良く風味もあり、食べたことの無い方は是非試していただきたいものです。

    新潟県は佐渡の他にも、様々な場所でもずくが獲れます。が、なかでも佐渡はぬめりが強すぎず、他のもずくでは味わえない食感なのだそうです。とれたてを塩で洗っただけの「岩もずく」は繊細なおいしさを楽しめそうですね。

    もずくと言えば、三杯酢で食べる!を真っ先に浮かべるかもしれませんが、レシピは多岐にわたります!おすすめは天ぷら(かき揚げ)でしょうか。卵焼きに入れても良いですし、“鍋に入れるよ!”という方も。ジメジメ暑いこの時期は、蕎麦のように薬味をたっぷりのせて、冷奴やサラダにオンしても、ああ無限かも。

    大粒 つぶ貝

    大粒 つぶ貝

    おおきな「つぶ貝」が入荷しています。殻から外した身もさぞ大振りなのだろうな。
    つぶ貝は身を取り出すのに、殻を割る方法と、殻を残して取り出す方法があります。

    殻を割る方法

    殻を金槌や麺棒等で割れば、簡単に身を取り出す事ができます。さらしやタオルに包み、軽くたたいて殻を割ります。

    殻を残して取り除く方法

    難易度の高い方法です。職人はヒョイっとやってみせるらしい。

    画像の指をさしたあたり(中心あたり)に目打ちやアイスピック等を差し込んで、殻の巻きに沿ってぐるりと身を殻から取り出します。

    つぶ貝には有毒部位(唾液腺)があるので、しっかり取り除いてくださいね。

    大間まぐろ

    大間まぐろ

    昨日に引き続き「大間まぐろ」を発見。今日の入荷は無かったようです。

    タガのひとり言「もずくといえば。」

    写真は全然関係ない、沖縄に行った際の海の写真

    もずくといえば、で、思い出しました。
    私の高校は、修学旅行が沖縄だったのですが、民泊したお家がうるま市にあるもずく漁師のお宅でした。食卓にはジューシーやソーキそばと一緒に当たり前のように、もずく料理が並んでいました。天ぷらや炒め物など。それまで三杯酢で食べる印象しかなかったもずくの印象が、そこでがらりと変わったことを覚えています。
    おいしくてお土産に紅イモタルトも買わず、もずく3パックくらい買いました。

    ただ、うるま市のもずくは天然の岩もずくではなく、太もずく(オキナワモズク)という種類のようです。国内で流通しているほとんどのもずくが、この太もずくです。
    今回、新物の岩もずくの入荷で気になり、調べて気が付くことができました。尚更この時期の天然「岩もずく」を食べてみたくなります。