鮮やかなオレンジ色が目を引く、いよかんの食べ頃です!
春が待ち遠しい今の季節、柑橘系のフルーツが店頭に出回っています。
数ある柑橘類の中でも、ミカンに次いで生産量が多くメジャーな存在となっている『いよかん』は、まさに今が食べ頃であることはご存知でしょうか?
いよかん(伊予柑)の名産地はその名の通り、伊予の国「愛媛県」です。
鮮やかで艶のある濃いオレンジ色の表皮、甘さと酸味のバランスが取れた味わいの果肉。表皮から漂う濃厚な香りが魅力のいよかんは、この時期にぜひとも味わって頂きたい一品です。さらに果肉が柔らかいので食べやすく、果汁分が豊富なのでジュースを飲んでいるかのような風味が楽しめます。
ビタミンCが豊富なので、風邪予防にも期待できますね。
今回は、色・味・香りの良さの三拍子が揃った秋冬の味覚、いよかんを徹底紹介します!
いよかんのルーツは?実は山口県が発祥?
いよかんの代表的な生産地は愛媛県で、全体の約9割もの出荷量を誇っています。次点は和歌山県、佐賀県、山口県と続きます。
いよかんといえば愛媛県のイメージが強いのですが、実はいよかんが最初に発見されたのは山口県なのです。
明治時代に山口県阿武郡東分村(現:萩市)で偶然発見されたもので、詳しい起源などはわかっていません。人工的に交配されたものではなく、ミカン類とオレンジ類が自然交配されて生み出されたものだと考えられています。近年では、ミカンとブンタンとの交雑種との意見もあります。
いよかんの発見当初は、当時の地名「穴門」(あなと)にちなんで、「穴門蜜柑」(あなとみかん)と呼ばれていました。
後に愛媛県に苗木が持ち込まれたことで、松山市を中心として徐々に栽培が広がり、生産量を大きく伸ばすことができました。
「伊予蜜柑」(いよみかん)と呼ばれるようになりましたが、愛媛県の名物「温州蜜柑」(うんしゅうみかん)と混同されることから、後に「いよかん」と名付けられました。
いよかんの品種は、最も普及している「宮内いよかん」、初代の「普通いよかん」。優良品種の「勝山いよかん」やダイヤオレンジの別名をもつ「大谷いよかん」があります。
いよかんの皮を剥いてみました!
いよかんの表皮は厚みがあるので、硬くて剥きにくそうに思いますよね。
大ぶりの柑橘系は皮が硬い。そんなイメージが付きものですが、いよかんの皮は柔らかく、とても剥きやすいのです。
ほど良い厚みがある分、皮がばらけることなく、綺麗に剥くことができます。
今回購入したいよかんは、皮の色素が爪に付着しなかったので、さほど手を汚さずに剥くことができました。
もっと簡単に剥きたければ、いよかんのおしりの部分にナイフで切り込みを入れると剥きやすくなります。
いよかんの内部に迫る!
いよかんの果肉は一つ一つが大きく、袋(じょうのう)が厚めです。
袋を手で剥いて、果肉だけを取り出して食べると美味しく味わえます。
袋の中心側から開くように剥けば、果肉を綺麗に取り出すことができます。
表皮に負けないくらいの、鮮やかなオレンジ色が一段と目を引きますね。
全て瑞々しい質感で、ジューシーな果汁が豊富であることが見てわかります。
いよかんの果肉は弾力性があるので、形崩れすることなく綺麗に取り出せました。種の数は少なめで、房全体の中で数個程度でした。果肉が柔らかいので種を取り出すのは割と簡単です。
ほんの小さいサイズの種が入っている果肉もありますので、食べる前によく確認することをおすすめします。
いよかんを食べてみました。
今回購入したいよかんは甘みが強く、後味も良いものでした。果汁分が多くて食べやすいので、一人で一玉分食べてしまえる程やみつきになる味わいでした。
酸味や苦さよりも甘さが勝っているので、柑橘系を普段食べない、もしくは苦手な方でも受け入れてもらえるのではないでしょうか?
お家で食べる柑橘系といえば、小さくて皮が剥きやすい、みかんに人気が集中する傾向があります。
いよかんは厚い皮を剥くわずらわしさから、近年では消費者から敬遠されがちで栽培量が減少しているともいわれています。
長年続くいよかんブランドを守るべく、甘みが強く、皮が剥きやすいことに重点を置いた新品種が生み出されています。
また、数年前にJA全農えひめが、「愛媛いよかん=いい予感」をコンセプトに受験生にいよかんを配るプロモーション活動を行っていたことも有名です。いよかんの人気と認知度がもっと高くなるように応援していきたいですね。
いよかんは更に食べやすく、進化しています。
筆者は今回、数年ぶりにいよかんを食べたのですが、とても甘くて皮が剥きやすくなったことに驚きました。心なしか種が少なくなったような感じもしました。
フルーツの品種改良はここまで進んでいるのだと、新しい発見がありました。
いよかんの出回り時期は12月~4月頃で、2月が出荷のピークとなります。まさに今が食べ頃のいよかんを味わってみてくださいね。