陸上、いや、丘の上に?サステナブルな養殖サーモンに挑むFRDジャパンさまの「おかそだち」を取材してきました!

食文化スタッフの田賀です!今回わたしは、千葉県木更津市で活動されているFRDジャパンさまを訪問。“陸上養殖”により育てられた千葉県産生サーモン「おかそだち」の生産現場を取材してきました!

目次

    千葉県木更津産の養殖サーモン「おかそだち」とは

    陸上養殖サーモン「おかそだち」

    ひと言でいうと地球に優しいサーモンです。
    一般的にはサーモンは海面養殖で行われますが、その規模が海の自浄能力を超えると、糞や餌の影響によって海が汚染される可能性があります。
    「おかそだち」は独自のろ過システムにより、飼育水を循環させて養殖するため、排出を出さない環境に優しい養殖方法で育てられています。(閉鎖循環式陸上養殖システム)
    海や川から遠く離れた内陸部であるため、細菌感染を予防するための抗生物質を使用する必要が無く、また自然災害の影響も受けません。
    水温を一定に保ち、年中サーモンに適した環境を維持できるため、いつでも旬の生サーモンを楽しめるのです。

    と、簡単に説明するとこの通りです。
    行きの道中、SDGs担当含む食文化スタッフ3人で話していたポイントもお伝えしておきますと、

    「おかそだち」のポイント

    ★これまでの陸上養殖は30%の水の入れ替えが必要でしたが、FRDジャパンさまの技術ではほとんど入れ替え無しで済む=使用電力の大幅な節約につながる!
    ★一般的に食される養殖サーモンは海外産(主にノルウェー、チリ)であることに対して、国内、ましてや首都圏で養殖している=輸送CO2の大幅に削減につながる!
    ★海面養殖において食べ残した餌の流出が赤潮などの原因となってしまっているのに対して、食べ残しが海に流れ出すことは発生しない=海を守ることにつながる!
    ★データと連動させた徹底管理かつ海と異なり病気の心配も無いため、無投薬で育つ=消費者の安心につながる!

    「水産資源には限界が来るだろう。未来の可能性がある陸上養殖魚で、とにかく旨いんだ」と繰り返し話していました。

    なんていったって、おいしい!

    そう、わたしたちが驚いたのはSDGsな点だけではありません。
    前置きが長くなってしまいましたが難しい話は置いておいて、このサーモン、本当においしいのです。
    養殖特有の匂いと言いますか、癖が無く、サケ、マスならではの風味を感じます。そして食感、口当たりも大きく異なります。

    もちろん一度も冷凍せず、〆たての鮮度感でお届けしたい!サーモンらしい旨みと香り、弾力のある身質を当店のお客様にも体感してほしい!

    そしてこの優れた味わいは、環境によるものなのか、餌なのか、〆方、鮮度感なのか。紐解くためにも実際に足を運びました。

    養殖場は千葉県木更津の丘の上!取材してきました

    独自のろ過技術

    到着するなり、まず案内していただいたのは屋外の施設、ろ過システムの部分です。
    施設内で飼っているバクテリアを活用した独自のろ過技術により、水替えを最低限に抑えた養殖を可能としています。

    丁寧かつ迅速に〆る

    続いて、施設内の閉鎖循環式陸上養殖システムの部分。
    徹底管理されたシステムの下、ポンプで餌やりを行います。

    網で獲る→即〆→即血抜きを1匹ずつ丁寧に、わずか1分前後のスピード感で行います。もちろんその日のうちに出荷します。

    ずばり、おいしさの理由は?

    最後に代表の十河さま、広報の宮川さまに話を伺いました。
    脂くささを感じないピュアな味わいでいて、尚且つサケ、マスらしい風味をしっかり感じられる、今までの養殖サーモンとは異なるポテンシャル、ずばり何故なのでしょう?と伺ったところ、
    明確な答えは言えないけれど…と。
    ただ、ヒントとなることを色々と教えてくださいました。

    まずは、餌の品質を丁寧に管理しているということ。
    養殖するサーモンを徹底的に管理するのは分かりますが、FRDジャパンさまでは、サーモンの腸内環境を考慮した餌の選定、保管時はクーラーで鮮度保持するなど餌も丁寧に管理しています。
    基本決められた期間内に餌を使い切る上に、社員自ら餌を食べて鮮度を確認することもあるそうです。

    餌に紐づいて、成魚の脂肪含有量にも配慮しているようです。
    なるほど、だから「おかそだち」は口に入れた際に心地よく感じる舌触りだったのね、と納得します。

    そして何より、抜群の鮮度でお届けできるということ。
    もちろん、寝かせた方がおいしいという意見もあります。ただ真っ先に届けることで、届くお客様のもとで好みの熟成具合を楽しめますよね。その移ろいを味わうこともできます。

    寄りみち

    取材後には、養殖場から最も近い場所に「おかそだち」が卸され提供されている場所だと教わった飲食店へ伺いました。

    木更津魚市場に隣接する「海鮮食堂KUTTA」さんです。平日(月曜)だというのに外にまでできる行列に驚きました。それも老若男女、友人と、家族と、と客層も様々です。偶然知ったお店ですが、とても人気店でした。

    それにも納得のお品書きにお味でした。魚は刺身にフライはもちろん、おおまさりを使った一品など、昼夜問わず楽しめそうです。もちろん「おかそだち」もいただきました。刺身の厚さによっても味わいの表情が変わるなと感じます。


    年内はテスト的に販売予定です。今は絶賛準備中。
    販売開始時には当店のメールマガジン等でお伝えいたします!