熊本県南探訪もいよいよ終盤。
「地あぶら」作りで有名な堀内製油さんを訪ねた。地あぶらとは地元の原料を地元の工場で絞ったもので、なたね油がその中心になる。他にもごま油やつばき油などもあるが、こちらは別の地域の原料もあるとのこと。
しかし、いずれにしても堀内製油さん独特の古式圧搾という方法で絞られる。近代の製油は薬品などを使って、もうカスには何も残らないほど油を絞り切る。しかし、こちらは昔ながらの方法で(非生産的であるものの)良いところだけが絞られるので美味しい。
このレトロな機械が何とも良い。
写真は無いですが、ぎゅーーーと絞られた油カスは板状の不思議な物質となる。食べさせてもらうと、これがきな粉みたいで案外美味しい。
こちらは瓶を洗う機械。瓶を持ってきて油を入れて貰う人が結構いるのだとか。
中心にいるのが2代目となる堀内克矢社長。この時に来々軒の荒張兄弟が地あぶらをたまたま持った事で、その後しばらく「地あぶら兄弟」と呼ばれる事に。変なニックネームつけてごめんなさい。
最後の目的地、モンヴェール農山さんへ!
ここの社長は凄い。この牧場は豚のための牧場では無い。
モンヴェールとはフランス語で「緑の山」という意味で、この言葉が意味するように、この緑の山を素敵にするために豚がいて、豚も人も一緒に緑の山の住人という、スケールの大きいビジョンを持った牧場です。
施設への入口からレストランの玄関まで車で5分位かかりました。本当に広くて綺麗で羨ましい。
この日は社長の娘さん農山春香さんが案内してくれました。
嬉しい事にモンヴェールポークを使ったランチも振る舞って下さり、特に世界のソーセージレストランhayariの村上ご夫妻は興味深々でした。最高のランチになりました!
このモンヴェールポーク、品種はバブコックと言います。脂の甘さと豚肉特有の臭みが無いのが特徴の日本では珍しい品種です。調べるとこだわりのソーセージ屋さんなどで使われる事が多いようです。
かくして熊本県南地域を、恵比寿の世界のソーセージレストラン「hayari」の村上ご夫婦と、東陽町のタンギョー(タンメンと餃子の専門店)で有名な来々軒の荒張兄弟の5人で巡る旅は終わりとなりました。何となく顔に疲れも。
果たしてこの中からどんな食材が選択され、どんなソーセージに餃子になるのか?こうご期待!
次は、熊本県南フードバレー日記 荒木町「鈴なり」の村田シェフ編へと続き、更にはソーセージと餃子の「試作編」に続きます。
こうして素材に出会い、インスピレーションを受け、商品は作られていきます!