こんばんは、高岡です。
去る8月30日に、第3回目の食事会を開催しました。
今回のゲストは、オペレーション部の石毛さん、藤原さん、由良さんの御三方です。
これまで私の得意分野の西洋料理を中心としたメニュー構成だったので、今回は趣向を変えて中華料理を作りました。
1品目 豆腐皮と香菜の和え物

過去2回の食事会では、最初の料理が出るまでが遅かったというのが反省点でした。
今回は、事前に冷菜を用意しておき、お酒と会話を楽しんでもらえるように意識しました。
豆腐皮は中国系の輸入品雑貨店で購入。油でコーティングされているので、一度茹でて古くなった油を落とします。
香菜(シャンツァイ)=パクチーは、千葉県産の有機栽培のものを使用。葉だけをちぎって入れます。
近所のスーパーで売っていたのですが、これはえぐみが少ないので、パクチーがあまり得意ではない私でも食べられます。
これらを胡麻油、ナンプラー、黒胡椒で和えるだけです。
最近見つけたアジア料理店で、これを食べて美味しかったので真似したくなりました。
特段語るような料理でもないので、感想は割愛。
2品目 純粋黒豚と只管豆腐でつくる麻婆豆腐

私が学生時代に料理を始めたとき、初めて母から教わらずに作った料理が麻婆豆腐でした。
それから早6年の歳月をかけて、改良に改良を重ねて作り上げた自信作です。
うまいもんの食材の力も借りて、さらに磨きをかけました。
肉は渡辺バークシャー・純粋黒豚。この豚の旨味は圧倒的です。
2年前にピェンロー鍋にしたときは塩味が強かったので気付きませんでしたが、今回取り寄せてみて、こんなにも肉の味が濃い豚がいるんだと驚かされました。
純粋黒豚の挽き肉をほぐさずに焼き、よく焼き目をつけ、豚脂が透明になってきたらほぐします。
こうすることで、ゴロゴロした食感の肉そぼろをつくります。
ここにみじん切りにした生姜、ニンニク、長ネギを入れ、豚脂で炒めて香りを出します。
次に、豆板醬、甜麵醬、豆鼓を入れ、焼き付けることで醬の旨味を高めます。
さらに五香粉、白胡椒、花椒を入れ、スパイスの香りを纏わせます。
炸醬の時点で、良い香りが漂ってきます。
Wakiyaの陳醸15年の紹興酒、生抽、老抽、隣で煮込んでいた烏骨鶏の出汁(後述)でスープを作り、そこに軽く湯通しした只管豆腐を切らずに入れ、煮込みます。
中華の鉄人・陳建一氏は、「麻婆豆腐は煮込み料理」という言葉を残しました。
本来であれば、高火力で短時間で仕上げるのでしょうが、私は陳氏の言葉に倣い、少し中強火で煮立てます。
そもそも、家庭用のコンロでは、中華料理店の台所のような高火力は出せないので、出せないなりに工夫をしています。
仕上げに、水溶き片栗粉、みじん切りにした長ネギ、中国黒酢を加えてから強火で焼き付けます。
最初に入れた長ネギは脂に香味を纏わせるためで、最後に入れたネギはこれ自体が香ります。
豆腐は、片栗粉を混ぜるときに崩します。酢の尖った酸の香りが消えたら完成です。
見てください、この滲むような脂を。すべて純粋黒豚から出た豚脂です。
他の一切の油脂を使用していないので、この脂すら美味い!
由良さん「私辛いの得意じゃないんですけど、これは旨辛で美味しいです!お肉も食感が良い!」
石毛さん「味が3D(重層的の意)だ!辛さの奥にいろいろな味が広がって凄いですね。」
藤原さん「美味すぎる……、どうしてご飯ないんですか?(怒り)」
3品目 覇王別姫鍋(すっぽんと烏骨鶏の鍋)

覇王別姫とは、楚の将軍・項羽とその妻・虞美人を指します。京劇でも有名な題材ですね。
一説には、かつて項羽が都を置いた彭城(現在の江蘇省徐州市)の人々が、気性の荒い鼈を猛将である項羽に、黒い羽毛を纏う烏骨鶏を気高き虞美人に見立てて作ったという伝統的な鍋料理です。
烏骨鶏の親鳥は肉が硬いので、生姜と長ネギの青い部分、紹興酒と水を入れた鍋に入れ、アクを取りながら弱火で煮込みます。これで出汁を取りつつ、肉を柔らかく仕上げます。
烏骨鶏が柔らかくなってきたら、すっぽんを入れて数分煮込んだら完成です。
安心院のやまさ旅館のポン酢と、柚子胡椒でいただきます。
なぜ夏に鍋を?と思うかもしれませんが、普段は冷房や冷たい飲み物で冷やし過ぎた体を、芯から温めてもらいたい狙いがありました。また、すっぽんや烏骨鶏は滋養強壮に効きます。
お盆の頃は問い合わせも増えて忙しくなりますから、カスタマーサポートを担当する石毛さんと由良さんを労う意味も込めて、この料理を選びました。
この黄金色のスープと、生姜の香りが食欲をそそります。
すっぽんも烏骨鶏も初めて食べた、という3人。
コラーゲンたっぷりでとろけるすっぽんの肉と、弾力がある烏骨鶏の肉を楽しめました。
4品目 醉蝦(ツェイシァ、酔っ払いエビ)

海老を紹興酒や醤油、その他香味野菜などで漬けて食べる料理です。
この料理は鮮度が命!ということで、活車海老を購入。1尾40g以上の大きなサイズを選びました。
翌日の昼だったので、多少弱って死んでしまった海老もいましたが、まだ活きているのも!
おがくずの中から取り出して、わずかにギィギィ鳴く海老をゲストの皆さんに見せてから料理しました。
Wakiyaの紹興酒の残りと老抽、八角を入れたシンプルな漬け汁に海老を入れます。
試作した際は生きが良すぎて台所が大惨事になったので、ラップをして防ぎます。
鮮度を考慮して、今回は蒸して提供しました。
紹興酒の良い香りが付いた車海老は、良い酒の肴になります。
試作したときは八角を入れなかったのですが、これは入れて正解でした。
5品目 覇王別姫鍋のスープで作る中華粥と緑の一番星の鹹蛋(シェンタン)


鍋のスープも余さず堪能したい!と思い、中華粥を作ることにしました。
写真(右)の内容を読み込み、粥を作る際のポイントを押さえます。
試作してみたところ、粥は美味しいのですが、少し塩味が欲しい……
醤油を入れると繊細な粥の味が壊れてしまう……
悩んだ末に鹹蛋を入れることに。
本来は家鴨の卵で作るのですが、日本ではなかなか手に入らないので、鶏卵で代用。
青森県田子町の緑の一番星を使用します。
殻を酢と焼酎で殺菌し、塩の中に約1カ月漬けておきます。
鹹蛋の作り方には、塩水に漬ける湿塩法と、直接塩に漬ける乾塩法があるのですが、
緑の一番星は非常に殻が硬くて丈夫なので、湿塩法ではしっかり漬かりません。
そのため、今回は乾塩法を用いました。
コラーゲンがたっぷり含まれたスープを吸ったからか、粥はさらさらではなく、もったりとした状態に。
鹹蛋は固ゆでにして添えます。白身が水分を失っているので、殻を剥いたらボロボロに……
見た目はアレでしたが、味はばっちり!
塩加減も最高に合っています。塩味がはっきりしたものが好きな石毛さんにも満足していただけたようです。
そんなわけで、8月の食事会も無事終了しました。
今回の反省としては、器のセンスがない……ということが第一。
普段は西洋料理ばかり作っているのがデメリットとして顕著に現れました。
大皿から銘々に取り分ける料理はさておき、中華粥の器とフォークはどうにかならなかったのか、と今更ながら後悔しています。全力でおもてなしできていない証拠でもありますので。
素敵な食器を選ぶことも大切だなと実感する会でした。
食器を新調して出直してきます。
