2026年7月度 第2回食事会 presents.高岡

こんばんは、青果出荷担当の高岡です。

先日、食事会の第2回を開催しました。
今回は、水産担当の平林さん、青果出荷担当の山村さん、比留間さんをご招待!

1品目 豊穣のトマトジュース サターントマトのガスパチョ

暑くなってきたので、まずは冷製スープでおもてなし。
酸味が強く、野性味のある青臭さが特徴のサターントマトのジュースは、そのまま飲んでも美味しいですが、料理にすると一味化けます。
豊穣のトマトジュースに、バゲット、ニンニク、塩を入れてブレンダーにかけ、粗く微塵切りにした玉ねぎときゅうりを具材として加えます。仕上げに、黒胡椒とオリーブオイル。
オリーブオイルは、今回も空井農園のコロネイキを使用しています。

よくあるトマトジュースは、桃太郎系の甘いトマトを使用していたり、砂糖が入っていたりで、スープにするには甘すぎます。
このガスパチョは、サターントマトの酸味と旨味に、バゲットの小麦由来の自然な甘さが合わさることで完成します。酸味のトゲが丸くなり、爽やかでありながらも力強さがあるスープになりました。

2品目 三方原馬鈴薯のトリプルクックド・チップス(Triple-Cooked Chips)

比留間さんは揚げたジャガイモが好物と伺い、メニューに組み込みました。

トリプルクックド・チップスは、イギリスの料理人ヘストン・ブルメンタール氏が考案した究極のフライドポテトの調理法です。茹でる・冷ます・揚げるの3つの工程を経ることから、そう呼ばれます。
一度茹でて中まで火を通し、ジャガイモのデンプン質をアルファ化(͡糊化)させることで、外はカリカリ、中はねっとりとした食感になります。三方原馬鈴薯はデンプンの含有量が他のジャガイモに比べて多く、特にこの食感を生み出しやすい食材だと考えました。
茹でるときは、水温が低い状態からゆっくり加熱し、全体に均一に火を入れること。そして、酢を水1リットルに対して大さじ2(30ml)程度加えると、ペクチンの分解が抑えられて、煮崩れしにくくなります。

今回は、ジャガイモを酢水で茹でた後に水気を取り、冷凍してから二度揚げしました。
二度揚げすることで、表面の糖質が変性してクラスト層が形成され、ザックザクの食感になります。

いっさい下味は付けず、塩も振っていませんが、三方原馬鈴薯そのものの旨み・甘みが強く、非常に美味でした。
ゲストからは、「こんなフライドポテトは食べたことがない!」と驚きと称賛の声が聞こえました。

3品目 タカベのフリット

究極のフライドポテトを作るなら、究極のフリットを合わせて究極のフィッシュ・アンド・チップスを食べたい!

水産担当の平林さんに、この時期にオススメの白身魚は何でしょう?と伺ったところ、
タカベをフリットにしたら面白いかも!と提案が。
日本の固有種であるタカベは、バターフィッシュとも呼ばれるほど、脂乗りが良い魚です。
この脂が上質で、塩焼きにすると旨さに圧倒されるのですが、それをフリットにするのですから、美味しいに決まっている!と私も乗り気に。

小麦粉とビールで作った衣に、三枚おろしにしたタカベの身をくぐらせ、さっと揚げる。
たったこれだけなのに、驚くほど美味い!ちょっと感動しちゃいました。

脂の乗った身はフワッと仕上がって、しかもジューシー。
こちらも下味なしで揚げていますが、タカベが持つ旨さだけで十分すぎるほど。
提案してくださった平林さんも、「うまっ!」と連呼していました(笑)。

4品目 秋田・宮野羊牧場のホゲットのトマトビール煮込みとクスクス

メインを何にするか悩んでいたところ、良いタイミングで羊が販売されているのを発見!
東京・調布の名店2Terresのメルゲーズから連想して、羊の煮込みをクスクスと合わせることにしました。

部位は脂と赤身のバランスが良いロース。丁寧に血管やリンパ節を取り除き、一口大に切ります。
フライパンで肉の表面に焼き目をつけて、臭みを飛ばします。

別の鍋で玉ねぎをやや茶色(完全に飴色にはしない)になるまで炒め、そこに焼いた羊肉とニンニク、ビールを投入。羊を焼いたときに出た脂も加えますが、脂が気になる人は入れなくても良いです。
スュックを溶かしながらビールのアルコールを飛ばし、アクを取ります。
アルコールの揮発と同時に羊の臭みも飛んで、羊独特のクセはあるものの気にならない程度まで抑えられます。
(ブーケガルニなどを入れて臭みを消す方法もありますが、ハーブの香りを上乗せするだけになってしまい、羊の嫌な風味が消えないことがあったので、この手法を取っています。)

鍋の液量が半分程度になるまで煮詰めたら、イタリア産サンマルツァーノ種のホールトマト缶を加え、酸味を飛ばすため1時間ほど中弱火で煮込みます。日本の桃太郎系の甘いトマトより、酸味が強い海外産のトマトが良いです。
一度味を見て、塩で調えつつ、マッシュルームを加えて一煮立ちさせます。

仕上げに、パルミジャーノ・レッジャーノと黒胡椒を振りかけて、完成です。
(イタリアンパセリも刻んで乗せる予定でしたが、残念なことに失念しておりました……)

意外にも、これが今回の食事会で最も好評でした。平林さんからは、作り方を教えてほしいと頼まれるほどでした。

とはいえ、やはり素材が良いから出来たというのもあるかもしれません。
宮野羊牧場のホゲットのロースは、脂と赤身がきれいな層になっていて、硬い筋も少なかったと感じました。

5品目 都萬牛のリブロースステーキ カフェ・ド・パリ・バター添え

前回も登場した、私の一押し「都萬牛」のリブロースです。
リブロースは筋膜と分厚い脂が付いているので、今回はロース芯だけをステーキにしました。

そして、リブロースといえば、カフェ・ド・パリ・バター。
フランスではEntrecôte Café de Paris(オントルコート・カフェ・ド・パリ)と呼ばれる定番の組み合わせです。
無塩バターに、アンチョビ、ケッパー、イタリアンパセリ、ローズマリー、タイム、セージ、エストラゴン、ディジョンマスタード、ニンニク、レモン汁を加えて、ミキサーで混ぜ合わせます。

脂の多い肉にバターを合わせると重そうなイメージですが、ハーブの爽やかな風味、マスタードとレモン汁の酸味でさっぱりと食べられます。都萬牛も脂がさらっと融けるので、胃への負担が少ないです。
クスクスで満腹になっていましたが、ペロリと食べてしまいました。

6品目 大藤の桃のタルト

山梨県甲州市の大藤地区で栽培される「大藤の桃」。その中でも糖度15度を超える金秀ランクを贅沢に3玉使用したタルトです。
桃は皮付きのまま、流水で産毛を洗い流して使います。皮は薄くパリッとした食感なので、あまり気になりません。
薄く切り出したら、レモン汁とブランデーを加えて、コンポートにします。
そのままでも十分に甘い桃なので、砂糖を使用せずに素材の味を活かします。

タルト生地を焼き、クレームダマンドを敷き詰めてもう一度焼いたら、粗熱を取り、桃を飾り付けます。
コンポート液に粉ゼラチンを溶かし、ナパージュを作り、刷毛で桃に塗ったら冷やし固めます。

食事会当日の午前中に作ったので、ナパージュが固まりきらなかったのが残念ですが、見栄え良く仕上がりました。
(タルト生地も焼成に失敗したので、市販の型を使っているのは内緒です。部屋の温度が高くて、生地のバターが溶けてダレました……バターを使うスイーツは冬にやるべきか)

砂糖を極力使わず、自然な甘さに仕上げているので、食後のデザートにぴったりです。まさに別腹。
最後の最後まで満足のいく出来でした。


今回も、ゲストから好評をいただきました。
美味しかったです、また誘ってください、という言葉もいただき、とても嬉しいです。

男性4人の食事会だったので、食事の量を多めに見積もっていたのですが、
たくさん作りすぎてしまったようで、そこは次回以降は加減しようと思います。

次回は8月下旬に開催予定です。では、次回のブログでお会いしましょう。
高岡がお送りしました。

●おまけ

桑原博士のマンガリッツァ豚の肩ロースで、トマトビール煮込みを作ってみました。
これもうまい! 一口大より大きめに切ると、食べ応えがあります。