2026年6月度 高岡プレゼンツの食事会

こんばんは、豊洲青果出荷担当の高岡です。新卒入社で、3年目に突入しました。
今年度は月1で食事会を主催することを目標に掲げました。
自ら料理して饗す経験を積み、食材と向き合うことで、料理の技術を磨きつつ、食材の特徴を理解することが目的です。また、食文化の皆様に、自社の商品について知ってほしいという願いも込めています。

今回は、豊洲青果出荷メンバーの有馬さん、秋元さんと、船橋の冷凍出荷メンバーの石井さんを呼んで、食事会を開催しました。
各々の好みや苦手なもの、食べたいもののリクエストを聞き、メニューを考えて臨みました。

まずはお酒の選定から。

今回の食事会のメニューに合わせて、ワインをチョイス。(2本目は空瓶です……)
長野県伊那市のワインを用意しました。伊那ワイン工房は、ご夫婦2人で経営されているというのだから驚きです。

山ぶどうを使った珍しい赤ワインがあると聞き、お取り寄せしました。(弊社では取り扱いはございませんので、ご了承ください)
「山紫」に使われているW-3という山ぶどうは、信州大学と共同で開発した独自の新品種とのこと。これは期待。

普段私が好んで飲んでいるボルドーのメルロー主体や、ブルゴーニュのカベルネ・ソーヴィニョン主体と比べると力強さはありませんが、
今回は味の濃い煮込みやソースを作る予定はなかったので、渋みが弱く酸味も控えめな日本ワインが、食中酒にはぴったりだと考えました。

実際、度数が高くなく、軽い飲み口で食事との相性が良いと感じました。口に含んだ瞬間は山ぶどう特有の尖った酸味が刺してきますが、生食用ぶどうを食べているような甘さがやってきて、甘酸っぱい余韻を残していきます。
私はもっと山ぶどうのタンニンが主張してきても良いかなとは思いましたが、ゲストの皆様からは「飲みやすい」と好評でした。

さて、料理に移っていきます。

1品目 打木赤皮甘栗南瓜のポタージュ

打木赤皮甘栗南瓜は、石川県の郷土野菜(加賀野菜)の一種です。
試しに茹でて食べてみたところ、甘みが強く、果肉が濃密だったので、ポタージュにしました。
茹でた南瓜を裏漉しし、牛乳、乳脂肪35%の生クリームと合わせて沸騰しないように加熱。塩とバターで味を調え、パセリと黒胡椒で飾り付けしました。

優しい味わいで、南瓜の自然な甘さが感じられる、と好評でした。
まったく繊維質でなく、裏漉しは難なくできました。これが、この南瓜の長所だと思います。
スープでお腹を温めたところで、次へ。

2品目 鰹の中華風カルパッチョ

有馬さんが淡路島の新玉ねぎを差し入れてくださったので、鰹と合わせてみました。
水に晒さずとも、切ったばかりでも全く辛味がなく、良い玉ねぎでした。
カルパッチョというとオリーブオイルですが、鉄の多い鰹には風味で負けてしまうと思い、あえて胡麻油を使用しています。実際に食べ比べたところ、胡麻油の方が相性が良いと感じました。

3品目 海峡サーモンとアボカドのセルクルサラダ 自家製マヨネーズ

試作ではアボカドとサーモンを二層仕立てにする予定だったのですが、買っておいたアボカドが十分に柔らかくならなかったため、型に入れても崩れてしまいました。
仕方がないので、急遽具材を和えてサーモンの脂で結着させました。
マヨネーズは、卵黄に酢とオリーブオイル、少量の砂糖を入れたフレンチスタイルです。

サーモンは生で食べるのに、食事会の4日前に届いてしまった(日付を指定できない商品だった)ので、オイル漬けにして空気に触れないように密閉しました。
これが意外にも功を奏したのか、身の水っぽさが抜けて、もちっとした食感に。
アボカドの硬さに悔いが残りますが、味はまとまっていて良い一皿になりました。

4品目 5等級飛騨牛ランプのローストビーフ

石井さんから、「ローストビーフが食べたい!」とリクエストがあったので、飛騨牛のランプを取り寄せ。
火の通りがほぼ完璧で、会心の出来です。試作した甲斐がありました。

肉を常温に戻してから、黒胡椒を振って表面を焼き固めます。
塩をひとつまみ振ってからアルミホイル箔で包み、肉の温度を一度落ち着かせてから、予熱なしのオーブンに入れ100℃で25分。焼き上がりに肉の芯温が52~56℃、余熱で58℃前後に到達すれば、きれいなピンクに仕上がる算段です。
アルミホイルを開けると肉汁が溜まっているので、その量と色、肉の弾力で火の通り加減を確認します。
これまでの経験則から、赤褐色の肉汁が大匙2杯ほど出ていれば、想定通りの色合いになっているはずです。

焼けて15分ほど余熱を回し、出来立てを切っていただきます。
柔らかい!噛むたびに肉汁が溢れてきて抜群の旨さです。

サシの入り具合は理想的です。
松阪牛のランイチだと脂っこく、鹿角短角牛のトウガラシだと赤身が強すぎる……
都萬牛のモモでも十分美味しいけれど、やや脂のジューシーさが欲しい……
様々な肉で試してみましたが、個人的にローストビーフにすると最も美味しい肉は、古里精肉店の飛騨牛ランプだと思います。

肉汁と赤ワインを煮詰めたグレービーソースをかけると、より美味い!
全員が満足のいく素晴らしいローストビーフを味わえました。

5品目 天城黒豚の生ハムと蓬莱柿いちじくの冷製カペリーニ

蓬莱柿(ほうらいし)は数あるイチジクの中でも柔らかく瑞々しい果肉が特徴で、ねっとりとした食感です。糖度も高く、冷やしてそのまま食べても美味ですが、塩気のある生ハムと合わせるとその甘さがさらに引き立ちます。
プチプチの種子は、パスタに食感のアクセントを加えてくれます。
今回は食感を重視して皮を除きましたが、皮は薄いので口に残りません。皮が持つほのかな苦味を活かすなら、除かなくても大丈夫です。

天城黒豚は、静岡県伊豆の国市の山中で飼育される豚で、濃厚な赤身のうまさと脂の甘さが特徴です。弊サイトでも掲載している、東京・調布の名店「2Terres(ドゥテール)」のビストロ料理にも使われる魅力ある素材です。
5月に、ぐるめくにひろが仕上げた天城黒豚の生ハムを、弊社スタッフの鈴木さんからお裾分けいただいたので、今回の食事会にも活用しました。部位はシンタマ(内もも)です。
厚い脂身が付いているのが、この生ハムの面白いところです。口内でゆっくりと溶け出して、さらりとした脂に変わり、蓬莱柿の果肉と相まって渾然一体となっていきます。

オリーブオイルは、香川県小豆島の空井農園のEVオリーブオイル。品種はコロネイキです。(こちらは地子先輩にお裾分けいただきました。)
完熟したオリーブの辛味・苦味と、柑橘のような爽やかな香りが特徴で、非常に使い勝手が良いです。
蓬莱柿と天城黒豚の甘さに、コロネイキの辛味・苦味が加わることで、食材が互いに引き立て合い、味が調和しています。

個人的にかなり完成度の高い一皿だと思いました。

6品目 都萬牛のサーロインステーキ 焼きカリフローレを添えて

お待ちかねのメインの肉料理です!
都萬牛(とまんぎゅう)は、宮崎県で育てられる黒毛和牛の経産牛(お産を終えた雌牛)です。一般的な黒毛和牛と比べて肥育期間が倍近く長く、牛の加齢に伴って和牛香が強くなり、旨みも凝縮していることが特徴です。
脂肪交雑の度合いは2~3等級を目指して育てられており、黒毛和牛らしい濃厚な脂を感じるものの、さらりとしてキレが良く胃もたれしません。牛を堪能したい!という時にガッツリ食べても、食後の不快感がないので、私の一押しの牛肉です。

常温に戻してから水気を拭って、黒胡椒だけを振ってミディアムレアに焼き上げます。
焼く前に塩を振ると、水分が出過ぎてパサつきの原因になると考えており、ステーキの塩は食べる直前に振る派閥です。

塩にもこだわり、会津の山塩を使っています。山塩というのは、鉱泉(温泉水)を煮詰めて製造する塩です。
海水塩よりも含まれるミネラルの種類が多いため、その分ナトリウムの比率が下がります。
塩化ナトリウムが多い塩はビリっとした刺激を感じますが、他のミネラルが多分に含まれる山塩はトゲがなく、食材を際立たせるのにもってこいです。

カリフローレは、日本生まれのカリフラワーの一種で、細長い茎が特徴です。
都萬牛から出た脂でさっと焼くだけで、十分にうまいです。

7品目 なかほら牧場の牛乳でつくった自家製バニラアイスクリーム、ブランデー梅酒入り

A:岩手県のなかほら牧場の牛乳500mlに乳脂肪42%の生クリーム200ml、バニラビーンズ1本を入れて沸騰しない程度に加熱します。
B:卵黄3個(約60g)とグラニュー糖180gを泡立て器でよく混ぜます。しっかり混ぜると空気を含んでやや白くなります。今回、卵は青森県田子町の「緑の一番星」を使用しています。
Aの牛乳液を人肌より温いくらいまで冷まし、Bに少しずつ加えながらグラニュー糖を溶かし切ります。

牛乳のたんぱく質や卵の膜などを濾して取り除き、ステンレス製のボウルに入れて冷凍庫で3時間。
一度取り出して固まり具合を確認します。ここで一度、泡立て器で固まった部分とまだ液体の部分を混ぜ、微細な氷が混ざった状態にします。
ここに香りづけに梅酒を20mlほど入れ、軽くかき混ぜたら再び冷凍庫に入れて6時間ほど固めます。
この梅酒はフランス産のブランデーに、青梅を漬けた自家製のものです。
アルコールを入れると氷点が下がり、固まるまで時間がかかるようになるため、一度全体の温度を下げてから添加しないとドロドロのアイスクリームになります。
しっかり固まっても、溶け出すのが早くなります。ただ、食感が非常に滑らかになります。

なかほら牧場の牛乳は乳脂肪が多く、牛乳瓶の中に自然にバターができて栓のようになっていました。
そのままでも味わってみましたが、かなり濃厚で、臭みが少ない美味しい牛乳でした。
今年は気温もそこまで上がらなかったこともあり、牛が暑さで食欲を失わず、しっかり草を食んでいる証拠だと思います。
私は日常的に牛乳を飲んでいるので分かりますが、この時期の牛乳としては、かなり品質の良い牛乳だと思います。
冬の時期に飲んだら、どんなに美味いだろうかと想像してしまいます。

さてアイスクリームですが、特濃の乳脂肪とブランデーの氷点降下効果で、濃厚ながらも口どけが良く、次々に食べたくなる味です。
さらに追加で梅酒をかけると、背徳的な味です。梅の酸味とブランデー由来の甘みが絶妙で、度数が高いのにスイスイいけました。



今回の食事会は午後2時に始まりましたが、夜11時まで飲む大宴会となりました。
どの料理も好評をいただき、もてなす側としても大満足の食事会でした。

ところどころ算段の甘い部分があったので、そこは反省しつつ、次回に活かします。
(アボカドの硬さとか、メインの提供タイミングが遅くて皆お腹いっぱいとか、諸々……)

次回は7月中旬に開催予定です。では次回のブログで。
高岡がお送りしました。