熊本県津奈木小学校で、鈴なり村田明彦シェフの料理教室

(株)食文化
井上真一
(株)食文化 井上真一

星つきシェフの鈴なり・村田明彦シェフが津奈木小学校の子供達に本格的なダシの取り方をレクチャーしました!子供達は楽しそうにしてくれましたが、準備する大人達は大変でした。

熊本県の南、水俣市の隣の小さな町・津奈木町。

津奈木町は「つなぎ美術館」を中心に、自然や建造物を利用したアート作品を町全体に展示したり、町の名産を活用した様々なイベントを企画したり、小さいながらも面白いコトをたくさん行なっている地域です。

そんな津奈木町の子供達と私は、マーケティングの授業を通じて仲良くなり、食を通じてもっと何かできないか?と、今度は「本格的なダシの取り方」を体験してもらおうという企画を立ち上げました!

先生として登壇していただくのは、荒木町・鈴なりの村田明彦シェフです。村田シェフは2012年にミシュランの1つ星を獲得してから2018年まで7年連続で獲得。雑誌やWeb、テレビなど各種メディアでも活躍中です。2015年にはミラノ万博に和食の料理人として参加。農林水産省「和食給食応援団」のメンバーとして和食文化の振興、「チームシェフ」の一員として地域活性化にも取り組んでいます!

鈴なりの村田明彦シェフ

こんなに味が変わるの!?昆布だけ→カツオを入れて→味を整える 

まず最初に真昆布を鍋の中にいれ20分かけて低温で昆布のダシを抽出していきます。

その待っている20分の間に、村田シェフの大爆笑トークが繰り広げられるのですが、動画をとってなくて残念。水に昆布を入れるただけ十分に旨味が出てくることに子供達はことに驚いてました。

次に鰹節をいれて濾します。昆布にカツオが加わると椀物のような良い味わいになります。昆布とカツオから出る塩分でこの時点で0.5%程度の塩味があるそうです。

ダシを使ってだし巻きたまごを作る!卵焼きよりも難しいぞ。

このダシを使って出汁巻きたまごを作ります。卵6個に対してダシを180ml入れます。この180mlのダシが曲者。かなりシャバシャバになり、卵焼きとは段違いの難しさになります。

料理が得意な子供達が活躍!

テーブルは5つに分かれていて、そのテーブルごとに料理上手な子供が一人はいたりします。

算数や国語や体育に比べると陽の目を浴びる事が少ないかもしれない家庭科。色んな場面で活躍する子供達を見るのは嬉しいものです。スクランブルエッグになっても気にしない!と村田さんが激を飛ばします。

できました!それなりに形も整って上手上手!

村田さんが修正をしてくれたテーブルもありました。

完成した6つのだし巻きたまご

1つだけ飛びぬけて上手なのが村田さんのお手本です。すさがですね。

子供達のだし巻きも個性的で良いなぁ。

津奈木の郷土料理・三飯と共に

この日はもうひとつお楽しみがあります。

津奈木町のお母さん達が郷土料理「三飯」と、煮しめ、寒漬け、柑橘の寒天などをを用意してくださり、子供達と共に私達にも振る舞ってくださいました。三飯は鯛めし・鶏めし・海老めしの3種類の炊き込みご飯です。本当においしい!鯛と海老は不知火海で今でも水揚げされます。

個人的に驚いたのは、比較的に甘めの味わいが多い熊本の料理ですが、煮しめはとても薄味だったことです。色もほとんどついておりません。素材から出てくるダシを上手に利用して丁寧に味付けをしていきます。

ダシに最後に具材をいれて、塩と醤油とお酒で味を整えて完成です。

立派なお椀ができました!料亭の味。

本格的なダシはどうだったかな?

今日の経験が少しでもみんなの記憶に残ると嬉しいな。

星付きのシェフにダシの取り方を教わることって、人生でなかなかできない経験だと思います。村田さんも、郷土料理のお母さん達も、みんなの未来がキラキラと輝けば良いなと思って準備をしました。

そういう人に囲まれて育ったことを誇りに思っておくれ。私も傍らでとても楽しませていただきました。