【開発ブログ】豊洲市場ドットコムに英語・中国語(簡体)の翻訳機能登場!

こんにちは。システム部の山城です。豊洲市場ドットコムは生鮮を取り扱う性質上、国内発送に限定しています。しかし、在留外国人の増加に伴い、ここ数年はありがたいことに日本人以外のお客様からも多くのご注文をいただいています。そんな皆様にもっと快適にご利用いただくために、翻訳機能を搭載しました。

どうやったら翻訳できるの?

翻訳の仕方は簡単!PCの場合は左上にこんな感じのアイコンが出てきますのでこちらをクリック、

その中から、英語または中国語が記載ありますのでそちらをクリックすると、

そのページが翻訳されます。1回選択したら次のページに遷移しても同じ言語で翻訳され続けます。ただし、マイページなど一部翻訳されないページもあります。

スマホの場合はトップ画面の真ん中に切り替えリンクがあります。

日本の食のすばらしさを海外に発信するきっかけになればと思います。

翻訳サイトをリリースすることになったきっかけ

私の社員紹介ページでも食文化の記載しているのですが、弊社食文化のいいところ(?時にはよくないところ!?)として、ビジネス推進のスピード感があります。今回も、営業会議と呼ばれている月1で行われる各部門のマネージャーや役員が集まる5月の会議の中でこんな感じで話が始まりました。

コラボ事業担当 東浦
コラボ事業担当 東浦

今年越境ECや輸出の事業を展開する中で、英語と中国語のサイト、作れないでしょうか・・・山城さん、よろしく。

もちろん、そんなノリで生まれたことをすべてやるわけではなく、きちんとコスト、運用、将来性、優先順位など比較検討をして決めます。ただ今回の案件については、AIの躍進もあり、世の中の自動翻訳がここ数年で相当違和感なく進化していることを日常で体感していたので、月額コスト次第では導入のハードルは低いなとは思っていました。

翻訳ツールをこう比較した

そしてその日から、ツール探し開始です。第一条件は、コストです。コスト効果がでない価格設定だと意味がありません。初期コストなしでできれば月5万以内、高くても月10万以内なら問題ないレベルと判断し、最初の絞り込みを行いました。ホームページでの確認と、複数社に問い合わせを行い、コストの段階で3社に絞り、商談しました。

まず確認したのは、やりたいことができるかどうかです。具体的には、以下をヒアリングしました。
・オリジナルドメインをキープできる(URLは日本語の時と同じ)か?
・ページまたはディレクトリごとに翻訳除外設定ができるか?(個人情報を含むページは翻訳除外したい)
・固有名詞などを強制的に翻訳できる(辞書登録機能がある)か?
・日本語SEOへの影響はないか?
・承認などのプロセスを踏まず自動で翻訳されるか?(ページ数が多いので)
・ECサイトへの導入実績があるか?

結果、全ツールで大きな違いはなく、要件は満たしていました。そして、無料お試し期間で、検証を行いました。

翻訳の精度

まずは翻訳の精度を評価を行いました。検証には、アメリカ在住のほぼネイティブのプログラマーに、同一ページを翻訳した結果を見てもらいました。ツールAはGoogle翻訳、ツールBはDeepL翻訳、ツールCは独自開発です。

  • ツールCは他と比べて理解できない箇所が多くありやめた方がいい
  • ツールAとツールBの翻訳を見たところ、とても大きな差というわけでないが、ツールBの方が良い。英語らしく読みやすい。また、間違いも少ない。具体的には、この春日居の桃のページの中に、「今では当り外れのない高品質の桃として広く認知されています。」という文章があるが、ツールAは【They are now widely recognized as high-quality peaches that are sure to be hit or miss.】と訳されているのに対し、ツールBは【Kasugai peaches are widely recognized as high quality peaches that never miss the mark.】と訳されており、ツールBが自然。

その結果、ツールBに軍配が上がりました。

翻訳の速度

検証をする中で最も気になったのは速度です。どのツールも1回翻訳されればキャッシュされるので、2回目アクセス以降は即時表示なのですが、初回翻訳速度に大きな差があり、ツールAはそこまで気にならない程度、ツールB、ツールCはとても遅かったです。豊洲市場ドットコムは新規ページが季節のたびに登場するため、あらかじめアクセスしてキャッシュしておくのは難しく、ツールB、ツールCのこの待ち時間は致命的と感じました。

管理画面の使いやすさ

翻訳の精度の時点でツールCは候補から除外していたのでツールAとツールBに絞って検証をしました。

ツールAは管理画面に解析ツールが備わっておらずGAにて確認することになっており、ツールB、ツールCは管理画面にその機能があり、どのくらいのページが翻訳されたのかなどを見ることができる点が魅力でした。一方で、ツールAはビジュアルや画面要素を指定して翻訳調整ができる点が、とても使いやすそうでした。全体的に、ツールAはシンプルで最低限、ツールBは作りこみしてある印象です。

表示崩れがあるか

ツールBにはフォントの大きさやアイコンが表示されていないところがあり、表示が読みづらいデメリットがありました。

No. 評価軸 ツールA ツールB ツールC
1 コスト 年額360,000~720,000円 年額48万 年額42万
2 翻訳エンジン ○ Google翻訳 ◎ DeepL翻訳 × 自社開発
3 翻訳速度 問題なし 遅い 遅い
4 資料の充実 ×
5 ページ内の翻訳除外 可(タグ設定)
管理画面からも可
可(タグ設定) 可(タグ設定)
6 管理画面でのアクセス解析 不可
7 営業の対応 普通 ちょっと遅い ちょっと遅い
8 中国語英語対応
9 辞書登録機能 あり あり あり
10 オリジナルドメイン表示
11 翻訳除外
12 日本語SEOへの影響 影響なし 影響なし 影響なし
13 表示崩れ 問題なし 影響あり 未検証
14 自動公開
15 手動公開 不可 不可
16 言語ごとのロゴやバナーの差し替え

翻訳ツールはツールA(shutto翻訳)に決定!

そして、社内検討の結果、ツールA(shutto翻訳)を採用することになりました。英語の精度より、翻訳時間と管理画面の使いやすさを重視しました。翻訳の精度については、エンジンはGoogle翻訳なので、今後改善される可能性にも期待を込めています。

1つ懸念があるとすれば、今回採用したプランが月3万円のプランで、5000ページ、月250万文字というものなのですが、そこに収まるであろうという試算をし、コスト的にも一番安くなりそうと考えたのですが、リリース後結構なペースで文字数消化している雰囲気なのでそこだけ不安です・・・まぁその時考えます。。。