
私が赴任している熊本県津奈木町で海水養殖を行っている佐々木水産の社長が捌いた生の海鰻を予告もなしに5本も持ってきて「まぁ食べてみてよ」とおっしゃる。時間は全く無いがこじ開けてやるしかない!食文化の根性の見せ所だ。蒲焼きをやるぞ、炭から本格的に焼くぞ!
串打ち3年 裂き8年 焼き一生などというけれど、1日でやるぞー、おー!!
熊本県津奈木町には海うなぎが存在します。一般的には淡水で養殖するものなので、海水養殖はかなり希少です。きっと多くの鰻ファンにとって、どう違うのか興味があるのではないでしょうか。

さて、焼くにしても助っ人が必要と考え、津奈木町の知り合いに即連絡。3年鰻屋で修業していた人です。猪をさばいて丸焼きすることもある、とても頼りになるワイルドな男をこの日のために召喚。(デコポン農家)

骨も入っているので、熊本らしい独自のたれを作ることに。赤酒1、甘い熊本醤油(岩永醤油の濃い口を使用)1、角砂糖1の割合です。まず、鍋にどぼどぼっと赤酒をあけ、火を入れてアルコールを完全に飛ばす。その後、鰻の骨と砂糖を入れて砂糖が溶けるまで火を入れ、最後に醤油を入れてひと煮立ちさせて完成。冷まして後で瓶に戻し入れておきます。(なぜか画像がないので想像してください。Feel…)

生の鰻ですから、生の内臓もやってきました。苦玉を外し、包丁でこそいで胃の中の不要物を取り出し、しばらく水につけて血抜きした状態です。これは夜持ち帰り、自宅で肝煮にしました。最高でした。タレが糸をひくくらいしっかり煮詰めるのがポイントです。


まずは素焼きに。魚らしい良い香りが漂います。脂ものってる。ここから白焼きにします。白焼きというのは、濃い塩水を作っておいて、それに浸して焼き上げるので塩焼き状態になります。山葵醤油、最高でした。
次に蒲焼。素焼きでまず皮目を焦がしすぎないよう、こまめに位置を変えたりひっくり返してまんべんなく火を入れます。鰻といえば、串を何本も刺すのだろうと思ったら、「別にひっくり返せたらいいから、家で焼く分には刺さなくても良い」とのこと。というわけで、今回は串の本数が少なかったこともあり、頭に2本さして、あとは菜箸で支えながらひっくり返して進めました。ただ、途中首元で身割れするというアクシデントも。沢山刺しておくとこれを防げるんだなということを体感できました。とにかくたれをつけてからはすぐ焦げるので、こまめにひっくり返します。


私の作った熊本特製タレも良い感じに絡みついて、あたり一面良い香りが漂います。
試食の印象ですが、皮目の下にあるコラーゲン質が明らかに厚みがありました。香りも良い。魚として美味しい、そんな印象です。11月原料はもっと小型で仕入れられるのですが、3月にもなると秋口に入れた魚がだいぶ大きくなって500gほどになります。これをさばいて蒲焼にすると300g前後に仕上がります。
今年なんとか皆さまにご紹介できるよう準備中です。是非楽しみにしていただけるとうれしいです。
ちなみに、生から焼き上げるのもやればできるものです。食べたいというパッションがあれば乗り越えられます(笑)

