ごはんソムリエが実践~ひと工夫で備蓄米が美味しく炊ける方法~

豊洲市場ドットコムの八尾です。2025年5月末から話題になっている備蓄米ですが。炊き方に違いはあるのか?どうやって食べるのがおすすめか?など、疑問点も多いと思います。

そこで、今回はごはんソムリエ®として、お米の食味テストなどにも参加した経験のある私が、備蓄米を美味しく食べる炊き方について解説をしたいと思います。

弊社では取り扱いが無いので、米屋から購入することにいたしました。

今回購入した備蓄米は、令和5年度産のいわゆる古古米と呼ばれるものです。

5月に政府が随意契約で売り渡した備蓄米は、令和4年度産と令和3年度産のさらに古いお米となります。

まずは見た目の評価ですが、白濁粒が比較的見受けられちょっと物性が弱そうに感じますね。しかし、これは備蓄米だからというよりも令和5年度のお米は猛暑の影響でこういったものが多かった年です。それを考えると「思ったより綺麗」という感想です。

粒の大きさは複数品種のお米が混じっているので、多少ばらつきはありますが比較的小粒な印象です。食べ応えは感じにくいかもしれません。

洗米については、あまり強く研ぐと米が割れてしまう可能性があるので、優しく洗米する程度で対応します。

水をためてさっと回して糠を落とし、水を捨てるを3回ほど行います。

今回は炊飯器で炊きます。

水加減は炊飯器の分量通りに合わせます。古いお米だと“乾燥が進んでいるので水が多めのほうが良い“と言われてはいるのですが、今回は比較的小粒のため、粒感を出すためにこの水加減にいたしました。

そしてここからがポイントですが

4合に対して氷を3個ほど入れます。

お米は冷たい水で炊き始めることで、香りが良く粒立ちが良くなります。特に備蓄米は「古米臭」という香りがすることがあります。これは長期保存する間に、お米の脂質が酵素によって酸化してしまうことで発生します。

氷を入れて水温を下げて炊くことで、お米らしい香りが引き立ち古米の臭いが抑制されます。

15分ほど浸漬して、炊き上げたお米がこちらです。

白く艶やかで粒立ちも良く、見た目は良い仕上がりです。

もともと、今回は令和5年度産のお米でしたので古米の臭いはそこまで強くなかったですが、よりお米の甘い香りが引き立ったような仕上がりになりました。

ただし、食べてみると少し疑問符は浮かびます…

普段食べているお米と比べて、食感が弱く香りも味わいも薄いです。備蓄米だからというよりも、ブレンドされた品種の影響も感じます。単体として食べるよりは、おかずとあわせたほうがいいでしょうね。

そこで、おすすめなのが「卵かけごはん」です。

※写真はイメージです。

あまり主張のないお米でしたので、卵のまろやかな味わいと醤油が織りなすコクは、多少さっぱりとしたお米のほうが映えますのでお勧めです。

また、粘りが少なめなので、炒飯などにもおすすめです。

※もち麦入りご飯のイメージです。

この後はもち麦を混ぜて炊いてみました。もち麦のもちもち食感は備蓄米の食味改善に相当適していました。お米2:もち麦1の食べ方がおすすめです!

今回、初めて備蓄米を食しましたが、個人的には食感や味で物足りなさは感じたので、備蓄米は工夫が必要なのは間違いないと感じております。

氷を入れて炊くことで古米の臭いを十分に抑制できましたので、ぜひお試しいただければと思います。

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